概要
この工程では現状を詳しく把握するとともに、RPAシステムにより何を成果物(アウトプット)として生産するのかを明らかにし、文書にまとめます。一度で、完結する事はありませんので、難しく考えず早く手を付けて進める事が大切です。まとめている間に疑問点が湧いてきますので、都度、現場に確認して進めて下さい。
現状把握
項目
以下の項目をおさえる必要があります。
- 部署名
- 業務名
- 業務の目的
- 実行タイミング(日次、月次など)
- 現在の作業工数
- インプット(データソース)
- 加工内容
- アウトプット(帳票、ファイル、DB書込み)
サンプル
インプット、アウトプットのサンプルを提出してもらいます。
また、現状使っているアプリケーションの画面イメージもハードコピーして保管しておきます。
フローの図式化
より明確に現状を把握するために、以下のようなフロー図を作成します。
これは、売上分析表を作成するためのフロー図です。
これを見ると、品番マスタは人が作成し、売上実績はデータベースから、在庫データはメールで取得することが分かります。そして、人が手作業ですべてのデータを加工して、帳票を作成しています。
概要設計
成果物設計
最終的にユーザーに自動配賦される成果物のイメージを作ります。ただし、開発時や運用開始後に変更になる場合もあることを想定してください。
粒度分析
粒度とはデータの細かさです。成果物を作成するために、必要なデータの粒度を洗い出します。
日 | 月 | 店舗 | 品番 | |
売上数量 | ○ | ○ | ○ | ○ |
売上金額 | ○ | ○ | ○ | ○ |
在庫数量 | ○ | ○ |
データソース分析
粒度分析したデータの要件を満たすデータソースを特定します。
現在のデータソースが正しいとは限りません。現場の担当者にヒアリングした場合、ほとんどが「前任者がそうやっていたから、この方法でデータを取得している」と答えるでしょう。さらに簡単で正確な方法でデータが取得できるケースは多々あります。
ちなみに、RPA導入の際に、「現状の業務をまったく変えずに、そのままロボットにさせればいい」と説明されるかもしれませんが、実際は「ほぼ無理」です。なぜなら、前述のようにシステム的に見て、非常に非合理的な方法でデータを扱っている場合が多いからです。
データソースを特定したら表にまとめます。
N0 | データ | データソース |
1 | 品番マスタ | エクセル |
2 | 売上実績 |
BI(単品売上実績) |
3 | 前日在庫実績 | BI(在庫照会) |
メールでもらっていた在庫が、実はBIから取得できることが分かりました。
- 投稿タグ
- PPAシステム