DAF(Data Automation Factory)理論では業務の完全自動化を実現するため体系を定めています。
DAF理論では、DAF構築のための要件定義・設計・開発・運用をチームで行うことを勧めています。
DAFチームとその役割について解説します。
DAFチームとその役割【チームの成長パターンも図解します】
DAF理論では、DAF構築のための要件定義・設計・開発・運用をチームで行うことを勧めています。理由は2つです。
1.DAFチーム結成を勧める理由
1-1.運用管理を集中するため
実務部門にロボットを作らせた場合の問題は、1.1.5節「RPAの落とし穴」で指摘したとおりです。ロボットは自動化チームが集中して開発・運用管理することで、高いサービスレベルを維持でき、自動化の効果を得やすくなります。
中小企業の場合、管理するロボットの数が多くならないため、なおのこと集中管理が向いています。
1-2.運用責任を負う
「完全自動化した業務の運用責任を誰が負うのか」が必ず問題となります。開発・運用管理している人が責任を負うのが自然な流れです。
完全自動化を進めるほど運用管理と責任が増えていくため、チームが必要になります。
2.チームと役割
完全自動化チームの中には4つの役割を持った人員が必要です( 表1)。初期メンバーは複数の役割を兼任することになります。
RPAシステムは「DAF(Data Automation Factory)」理論をコンピュータで実装したものですので、設計や開発はDAF設計、DAF開発と呼んでいます。
表1:チームと役割
役割 | 内容と適する人材 | |
A | メンバー | ITに関係のない一般社員。最初は、(B)DAF設計者にサポートしてもらう形で進めることでシステム知識をカバーする。最終的には、要件定義から設計まで行い(C)DAF開発者に開発を要請すること、そして、できあがった自動化を運用することが仕事となる |
B | DAF設計者 | 社内SEのあなた。業務およびシステム開発の双方に詳しい必要がある。開発者の教育・サポートを行う役割もある。最終的なミッションは、(A)メンバーを育て、(A)メンバーと(C)DAF開発者だけで完結できるような組織を作り上げること |
C | DAF開発者 | 中級程度のプログラマーが最適。社外のリソースを利用することも可能 |
D | 運用者 | 問題なく運用されていることを監視し、問題があれば対処する。また、同じ問題が起こらないように(C)DAF開発者と協力して対処する。運用の最初は(B)DAF設計者が兼任し、運用が落ち着いたら(A)メンバーに引き継ぐのが望ましい |
3.チームの成長パターン
第1形態
始めは社内で完全自動化に対する認識はなく、説明しても効果への信頼はありません。少人数(またはあなた1人)でまず1つの案件を完了させ、その効果を見せることに集中します(図1)。
図1:チームの第1形態
第2形態
完全自動化で実績を出し、メンバーが増えてきた状態です。図2 のように、メンバーに実務者からのヒアリングや要件定義をしてもらい、あなたは設計やインフラの整備などの裏方にまわります。実開発は開発者に任せます。
図2:チームの第2形態
第3形態
あなたは自動化チームを自律的に動かす教育を行う立場になります。もしくは、自動化推進チームを率いる部署長になっているかもしれません( 図3)。
図3:チームの第3形態
- 投稿タグ
- PPAシステム
Pingback: オープンソースRPA | 株式会社完全自動化研究所
Pingback: RPAシステム:オープンソースでRDAを一元管理する方法(続き)【RPAベンダー向け】 | 株式会社完全自動化研究所