このページでは、RPAツールのタイプについてまとめています。RPAツール は、実行環境と画像認識により、タイプを分けることができます。
導入を成功させるために重要なことは、それぞれの特徴と自社の環境をマッチングさせることが大切です。ポイントを解説します。
RPAツールのタイプとは【実行環境と画像認識に分けて解説します】
RPAツール は、(A)実行環境と(B)画像認識により、タイプを分けることができます。
A)実行環境のタイプ
一般的に次の2つのタイプに分けられます。ただし、両社の区分けは年々縮まってきています。料金体系の差も縮まってきています。
1:サーバー型
ロボのプログラムはサーバー側に設定し、サーバーからの命令でクライアント側のPCを操作します。そのため、中央で稼働スケジュールや運用監視を一元管理することができます。組織的な完全自動化に向いており、海外の企業で採用されることが多いタイプです。そのため、海外メーカー製が多いのが特徴です。日本でも大企業に向いていると言えるでしょう。
デスクトップ型RPAに比べ高価で、サブスクリプション契約の場合、年額500万円以上のものが多いです。近年は安価で提供するサービスを行っている企業も出てきました。
また、小規模で非商用に使う場合は無料!というツールもありますので、試めしてみることもできます。
2:デスクトップ型
ロボはクライアントPCにインストールされ、デスクトップ上で動作します。インストール後すぐに自動化の効果を得られるという利点があります。
基本的にシナリオを人間のオペレーションによって起動する点もサーバー型と違います(バッチをタスクマネージャに設定して自動起動させることもできます)。また、シナリオ実行中に、ダイアログの選択やファイルの指定といった人間の判断や処理を介在させることができる為、業務担当者の業務をサポートする半自動のロボットを作成することもできます。
サーバー型に比べ安価で、サブスクリプション契約の場合、年額100万円程度のものが多いです。
近年はデスクトップ型RPAにサーバーでの管理機能がオプションで付属しているツールが多くなっていますので、単純にデスクトップ型RPAと呼べないようになってきています。
(B)画像認識のタイプ
RPAはパソコン画面の操作を行いますので、画像認識をどうやって行うかは大事です。
3つのタイプにわけられます。
1:座標指定
操作対象画面を表示して、入力欄や検索ボタンの位置を人間がマウスでクリックすると、2次元の座標データを記録する方式です。ロボットの実行時に座標データを呼び出してボタンなどの位置を認識させて動作します。座標指定の方式は、操作対象画面の大きさや表示位置が変わると誤作動するという課題があります。市場で目にするツールで座標指定のみしかできないものは私は知りません。
2:画像認識
操作対象を画像データとしてキャプチャーして、RPAの開発画面に登録する方式です。ロボットの実行時に画像データを呼び出して、画面上の画像と照合して対象と特定した後、入力やクリックなどの操作を行います。座標指定方式と違い、ボタンの位置が変わっても画像が同じであれば修正せずに対応できる利点があります。
3:画像要素認識
入力欄やボタンといった画面の要素をHTMLファイルやアプリケーションそのものから読み取って記録する方式です。「UIオブジェクト認識」と呼ばれることもあります。
見た目ではなく、HTML等の内部構造を解析して実行されますので、画面レイアウトや見た目が変わっても、HTMLファイルの構成要素が変わらなければ、問題無く動作します。高価なRPAツールについている機能だといえます。
まとめ
一般的にサーバー型RPAは大企業向け、デスクトップ型RPAは中小企業向けと考えられています。
ただし、近年サーバー型RPAとデスクトップ型RPAの差が無くなってきており、「RPAツールをどのように利用するか?」ということで分類する風潮になってきています。
つまり、サーバー型RPAであってもデスクトップ型として利用できるし、その逆もある程度可能というわけです。
私は中小企業で自動化を推進することが多いので、デスクトップ型RPAを使うことが多いです。ただし、工夫することによって、サーバー型RPAに近い環境を構築して運用しています。
その方法については、著書『オープンソースで作る!RPAシステム開発入門』で詳しく解説しています。