【IT部門のサポート業務】エラーログの確認と報告【Power Automate for desktop 事例】

情報システム部門における日々の業務の中でも、「エラーログの確認と報告」は、システムの安定稼働を支える重要な役割を果たしています。しかし、これらのタスクは往々にして時間がかかり、繰り返し作業が多いため、負担が大きくなりがちです。例えば、大規模な企業では、1日に数万件のログが生成されることもあり、これらの膨大なデータを人手で管理するのは非常に非効率です。システムの規模が拡大するにつれ、エラーログのボリュームも増加し、その管理の複雑さも増しています。この記事では、IT部門が「エラーログの確認と報告」業務を効率化し、より戦略的な業務にリソースを集中できる方法を探ります。

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こさい
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(株)完全自動化研究所代表のこさいです。

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業務の概要

エラーログの確認と報告のプロセスには、以下のステップが含まれます。

  1. 各システムやサーバーからエラーログを収集。
  2. ログデータを解析し、重要なエラーや問題を特定。
  3. 必要に応じて関係者に報告書を作成し送付。
  4. 継続的なエラーのトラッキングと対応策のフォローアップ。

さらに、この業務には、異なるシステム間でのデータ形式の整合性を取る必要があり、それがプロセスの複雑化を招いています。この業務は正確性が求められるだけでなく、迅速な対応も必要です。そのため、多くの場合、専用のスクリプトやツールが活用されていますが、さらなる効率化の余地が残されています。

業務の課題

エラーログ確認と報告の業務には、いくつかの課題が存在します。

  1. 手動作業の多さ
    ログの収集や解析において、多くの部分が手作業で行われる場合、ミスのリスクや作業時間の増加が懸念されます。また、複数のシステムからログを収集する必要がある場合、それぞれ異なる手順を踏む必要があり、さらに負担が増大します。
  2. ログデータの多様性
    システムごとにログのフォーマットが異なるため、解析や整形に追加の作業が必要です。例えば、一部のログはJSON形式で、他はテキスト形式で提供されることがあり、それらを統一するには特別なスクリプトが必要となります。
  3. 迅速な報告の必要性
    エラーが発生した場合、迅速に関係者に通知し、対応を開始する必要がありますが、手動作業では対応が遅れることがあります。特にクリティカルなエラーでは、対応の遅れが重大な結果を招く可能性があります。
  4. 分析の負担
    単純なエラーログの確認だけでなく、トレンドやパターンを分析する必要がある場合、大量のデータ処理が必要となり、IT部門に大きな負荷がかかります。これにより、他の重要業務へのリソース配分が難しくなることがあります。

Power Automate for desktopによる解決

これらの課題を解決するために、Power Automate for desktopを活用することが有効です。このツールを使えば、エラーログの確認と報告のプロセスを自動化できます。例えば、ある企業では、手作業で1日4時間かかっていたログ解析業務を自動化した結果、作業時間が15分に短縮され、ミスの削減と迅速な対応が実現しました。このように、具体的な事例からも効率化への寄与が明らかです。

自動化のフロー例

  1. ログの収集
    • Power Automate for desktopを用いて、指定されたサーバーやシステムからログファイルを定期的に取得。複数のプロトコル(FTP、HTTP、API呼び出しなど)に対応可能です。
  2. データの解析と整形
    • ログデータをスクリプトで解析し、エラー情報を抽出。
    • フィルタリングやキーワード検索を行い、重要度の高い情報をピックアップ。
    • ログフォーマットの多様性に対応する柔軟な変換処理を追加し、JSONやテキスト形式など異なるフォーマット間でのデータ統合を実現。特にJSON形式のログは、Power Automate for desktopの組み込み機能を使用してカスタムオブジェクトに変換できます。この変換により、キーと値のペアを直接参照し、条件分岐やフィルタリングなどの操作を効率的に行うことが可能です。また、このカスタムオブジェクトは後続のフローで簡単に活用できるため、全体のプロセスがスムーズに進行します。
    • ExcelやCSV形式で整形し、後続の処理に利用可能な形にします。また、ログ件数が非常に多い場合には、データベースやETLツールを利用して効率的にデータを整形することが推奨されます。これらをPower Automate for desktopから呼び出すことで、一元的な自動化のフローを構築することが可能です。
  3. 報告書の作成と送信
    • 抽出されたエラー情報をもとに、テンプレートに基づいた報告書を自動生成。特定の形式(PDF、Excelなど)で出力できます。
    • 関係者にメールで自動送信するフローを作成し、通知のタイムラグを解消。
  4. トレンド分析と可視化
    • ログデータのパターンをPower BIなどと連携して可視化。
    • 自動生成されたダッシュボードを利用して、関係者がいつでも最新情報を確認可能。

自動化のメリット

  1. 作業時間の削減と効率化
    手動で行っていた収集、解析、報告作成の作業時間が大幅に削減されます。1日数時間かかっていた作業が数分で完了することも珍しくありません。また、プロセス全体のスムーズな進行が可能になります。
  2. エラーの早期発見と精度向上
    自動化によりリアルタイムでログをモニタリングし、異常を即座に通知できます。これにより、クリティカルなエラーへの迅速な対応が可能となり、データの一貫性と正確性も大幅に向上します。
  3. 分析とスケーラビリティの向上
    繰り返し作業が軽減されることで、IT部門はトレンド分析や戦略的改善に集中できます。また、システム規模の拡大に対しても柔軟に対応可能な体制が整います。

まとめ

エラーログの確認と報告は、IT部門にとって欠かせない業務ですが、その作業負荷を軽減することができます。Power Automate for desktopを活用すれば、単純作業を効率化し、より重要な業務にリソースを割り当てることが可能です。これを機に、業務プロセスの自動化に取り組み、IT部門の生産性向上を目指してみませんか?さらに、自動化の導入は長期的なコスト削減や業務品質の向上にも寄与します。このツールを活用して、エラーログ管理の新しい時代を切り開いてください。

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