
在宅ワークして、会社に行かずにのんびり仕事したい。人づきあいも最低限にしたい。
ITエンジニアなので、在宅ワークできると思うんだけど、始め方が全くわからない。どういうステップで、何をすればいいんだろう?経験者の意見を教えてください。
こういった疑問に答えます。
◆本記事のテーマ
在宅ワークの始め方【ITエンジニア向け】
◆記事の内容
- [1] 在宅ワークを始める条件
- ①在宅ワークできる職種であること
- ②フリーランスエンジニアになるという覚悟
- ③1年分の家賃+αの貯金は必要
- [2] 在宅ワークの始め方
- ①目標設定:完全に在宅ワークで稼げるようになる
- ②準備:在宅ワーク環境を整備する
- ③始め方:まずは生きていける程度は稼ぐ
- [3] 番外編:RPAは在宅ワークにフィットしている
◆記事の信頼性
記事を書いている僕は、フリーランスエンジニア歴12年以上。ほとんど在宅ワークだけになって、7年ほどです。この4年は完全に在宅ワークです。
皆さんが出社するなか公園に運動に行き、お客様とのWebミーティングの時間以外は決められた仕事はなく、朝昼晩の食事は家族とともにいただく、という暮らしです。
「田舎で生活費を押さえながら、都会の仕事をやるタイプか~」
と思ったのなら、、違います。
バリバリの都心に住んでいます。
在宅ワークなので、どこに住んでもいいのですが、都心のメリットもあるもので……。
ともかく、「在宅ワークでも、それくらいの利益は出せる」ということです。
◆読者さんへの前書き
本記事は「フリーランスエンジニアになって、在宅ワークで生きていきたいけど、どうすればいいのかわからないよ」という方に向けて書いています。
会社に属したまま家で仕事をする「在宅勤務」とは区別しています。
会社以外の場所で働く「テレワーク」や「リモートワーク」とも違いますので、注意してくださいね。
僕の12年の経験をもとに書いていますので、この記事を読むことで「在宅ワークのリアルな始め方、その後の生き方」までイメージできるようになると思います。
「会社に行きたくない、通勤したくない」「人づきあいが苦手」という僕が、たくさん失敗しながら、在宅ワークできるようになっています。あなたが、あまり失敗せずに在宅ワークを始められるように祈りつつ、記事を書きます。
それでは、どうぞ!
[1] 在宅ワークを始める条件

在宅ワークは、誰でもできるわけではありません。
条件があるので、3つ解説しますね。
①在宅ワークできる職種であること
エンジニアといっても、仕事はいろいろです。
下記のような仕事をしていては、いつまでたっても在宅ワークはできません。
- 現場(店舗やお客様先など)に行かないといけない仕事
- パソコンのキッティングなど、機器を扱う仕事
- 部下を管理するマネージメント業
在宅ワークに向いているのは、やはり「プログラマー」ですね。
成果物がはっきりするから、フリーランス向きです。
他にも在宅ワークに向いていると言われる職業は、下記の通り。
- Webライター
- Webデザイナー
- コンサルタント
在宅ワークできない仕事をしているなら、思い切って転職するのもアリ。
あくまで、将来的な在宅ワークを狙って、探してください。
>>マイナビ IT AGENT
②フリーランスエンジニアになるという覚悟
会社に属したまま、家で仕事をする「在宅勤務」ではないので、フリーランスエンジニアになることは必須です。
フリーランスになるということは、サラリーマンのメリットを、捨てることになります。
たとえば、
- 会社が半分払ってくれていた社会保険料
- 退職金、ボーナス
- 有給
- 雇用保険
- 安定した給料
- 会社が保証してくれていた社会的身分
などなど……。
その代わりに、別のメリットが手に入る、という話です。
たとえば、
- 会社で半日過ごさなくていい
- 通勤しなくていい
- イヤな上司もいない
- 複数の会社の仕事を掛け持ってもいい
- 人づきあいも最低限でいい
- いつ働いても、いつ休んでもいい
- どこに住んでもいい
- 家族とずっと過ごせる
- 努力次第で、収入は上がる
など!
「どっちがいいのか、わからない」という人が、もうちょっと考えてください。
サラリーマンとして会社に勤めていても、
- いつリストラにあうか、わからない
- 退職金、ボーナスもあるとは限らない
- 年金や保険などの社会保障も削られていっている
といったリスクは年々高まっていっている、ということを。
そして、あなたはどんどん年をとっています。
- そのスキルで、定年まで仕事が続けられるか?
- 定年後、食べていけるだけのスキルが身に付いている?
- 定年後、1人になって仕事を作る気力・体力があるか?
といったことも、考えておかなければなりません。
メリット、デメリットを考えたうえで、それでも「フリーランスエンジニアになって、在宅ワークがしたいんだ!」という人だけが、自分の未来を変えることができます。
③1年分の家賃+αの貯金は必要
貯金は必要です。
在宅ワークするためには、自宅に仕事環境も整えないといけません。
それに、フリーランスエンジニアになったあとに、もし仕事が無くなったら、食いつながないといけません。
なので、1年分の家賃+αは欲しいですね。
とはいえ、なんとかなる
この3点がクリアできますか?
とはいえ、貯金がなくなったり、仕事がなくなったりして、在宅ワークできなくなったら、サラリーマンにもどればいいだけ。
②と③は必須ってわけじゃないですね。
僕も2回失敗して、サラリーマンに戻っているから、気楽に考えてください。
それより、「在宅ワークして、フリーを満喫したい!」って気持ちがあるかどうかが大事です。
慎重なのはいいことですが、あまり悲観的に考える人は、そもそも「フリーランスエンジニアで在宅ワークする」ってことに向いてないと思います。
さて、まだ「在宅ワークを始めたい」って人は、続きをお読みください!
[2] 在宅ワークの始め方

ここまで、「在宅ワークを始める条件」を詳しく解説してきたので、長くなりました。
ここから、いよいよ在宅ワークの始め方を解説していきます。
といっても、「在宅ワークを始める条件」を読んでも、まだ「イケる!」って人には、そんなに難しいことはありません。
最初は、目標を設定しましょう。
①目標設定:完全に在宅ワークで稼げるようになる
目標は「完全に在宅ワークで稼げるようになる」でいいでしょう。
会社に行かず、好きなときに働いて、好きなときに休む。人に気を使うこともなく、好きなことに集中する、という感じでいいと思います。
1つ注意ですが、「大金持ちになる」のが目標なら、在宅ワークは向いていませんよ。
営業活動をして、ネットワークを広げた方が、お金を稼ぎやすいと思います。
株やFXで稼ぐなら別ですが、あくまでフリーランスエンジニアとして稼いで、生きていくという目標を立ててください。
目標金額:20万円
最初の目標金額は20万円/月でどうでしょう。
20万円なら最初から可能ですし、これ以下なら、暮らしていくのはキツイですよね。
ちなみに、この金額は「在宅ワーク」を想定しているので、この金額ですが、普通のフリーランスエンジニアなら、もっと稼げます。
やっぱり、現場に常駐できる人のほうが、もらえます。
在宅ワークを目指すなら、金銭的な欲は一度横に置いておいて、まず「在宅ワークで生きていくこと」を第一にした方がいいでしょう。
金銭に頭が持っていかれると、もともとの目標がブレてしまいますから。
在宅ワークで暮らしていけるようになってから、目標金額を上げていく、という順番です。
②準備:在宅ワーク環境を整備する
在宅ワークするなら、仕事環境を整備することが大事ですね。
仕事環境によって、生産性が段違いですから。
これがあれば十分かな、という設備を次の記事にまとめました。
参考にしてください!!
③始め方:まず生きてける程度は稼ぐ
ここからは、在宅ワークの始める手順を解説していきます。
最初に、フリーランス・在宅ワーカーとして大事な考え方から話します。
フリーランス・在宅ワーカーにとって、大事なのは、
生きのびること
です。
- 生きていける程度は稼ぐ
- そして収入を増やしていく
この順番。
思い切って会社を辞めて、ゼロから在宅ワーク!ってのはリスクが高すぎます。
現実的な手順を解説しますね。
在籍している会社の仕事を請ける
僕がおすすめするのは、いま勤めている会社から業務委託を請けて、独立する方法。
最初は完全な在宅ワークでなくてもいいです。
- 出社する日を週5回から、週3回にする
- そのうち、週1回でも仕事が回せるようにする
- 最終的に在宅ワークに移行する
こういう、ステップです。
意外に独立できる
とは言っても、こういう疑問が湧きますよね?
「簡単に独立なんてできるのかな?」
でも、意外と嫌がられない、と思いますよ。
だって、会社としては、
- 人件費という固定費が、変動費になる
- 社会保険料も払わずに済むし、コスト的には万々歳!
- 人柄はすでに知っている
- 仕事内容を説明する必要もない
理想的なフリーランスエンジニアが現れたわけです。
普段から、しっかりと仕事をしておけば、大きな問題はないと思います。
目標金額は月20万円
目標設定のところでも触れましたが、最低20万円は稼げる状態で在宅ワークを始めたいですね。
時給2,000円だとしたら、100時間。
エンジニアなら、おそらく、時給は3,000円以上で契約できるでしょうから、70時間程度でこの金額になります。
160時間/月働くとすると、残りの90時間は別の仕事に充てることができます。
ネットで新規開拓する
フリーランスエンジニアとして独立したら、ネットで新規開拓するといいですね。
もちろん、業務委託で安定した仕事をこなしつつ、です。
業務委託にかける時間の残りの90時間を使いましょう。
大きくわけて、2つの方法で仕事を探します。
情報発信して集客する
ホームページ、もしくはSNSを使って、情報発信することで集客を行うのが王道。
情報発信することにより、最初からあなたのことを知っている人が仕事を依頼してきます。
自己紹介が済んでいる状態で、仕事を始められるってことです。
自分でやる
情報発信は、すべて自分でやったほうがいいと思います。
自分でやるのは、プロに頼むのに比べて、デメリットはあります。
- ダサいものしかできない
- 手を動かさないといけないから大変
- 時間がかかる
- 勉強しないといけない
- そのわりに、集客できない
などなど。
でも、メリットも大きい!
- 情報発信する過程で、自分の考えを整理でき、成長できる
- お金をセーブできる
- マーケティングを身をもって学べる
- マーケティングがだんだんうまくなる
上記の通り。
エンジニアリング能力を高めるだけでは、フリーランスエンジニアとして在宅ワークで食べていくのは難しい……。
マーケティング能力を少しずつでも高めていくことが、生き残っていくには超重要な要素だと思っています。
マーケティングのプロに頼むとしても、「何を頼めばいいのか」くらいは知っておきたい。
そのためにも、ある程度苦労しましょう。
情報発信には広がりがある
情報発信することで、
- 意図していない分野から声がかかる
- 意図していない分野に興味が出てくる
ということも。
たとえば、あなたが開発系でフリーランスになったとしても、
- コンサルティング
- 書籍の執筆
- Web記事のライター
- セミナーの講師
- 教育動画の作成
など、予期しないところから依頼が来る可能性があります。
そうやって、少しずつできる仕事の範囲を広げていくわけです。
ネットで仕事を探す
ネットで新規開拓する2つ目の方法は、「ネットで仕事を探す」ということです。
情報発信が「待ち」の集客とすれば、こちらは「攻め」です。
- 情報発信より時間がかからない
- 営業する必要がない
- 多くの仕事がある
というメリットがあります。
有名なところでは、スキルシェアサービスのココナラがありますね。
「副業的にスキルを売るより、本格的に業務委託案件が欲しい!」
という人向けにも、ココナラが、ITフリーランス向けの業務委託案件紹介サービスを始めるそうです(2023年1月上旬予定)。
ココナラエージェントを見てみる
こういうところから、業務委託⇒在宅ワークという手順もアリですね。
営業する
番外編ですが、ネットで新規開拓するのではなく、すなおに営業する方法もあります。
- 飛び込み営業
- テレアポ
- フォーム営業
といった手法が考えられます。
しかし……僕はおすすめしません。
営業素人のエンジニアが、「いきなり営業なんてできないから」という問題はもちろんあります。
それより問題なのは、上手く営業できたとしても
なめられる
からです。
相手は「営業かけてきているくらいだから、仕事がなくて困っているんだろう。使えるようなら、安く使ってやろう」と足元を見てきます。
こうなると、いい契約は結べません。
これが、僕が通常の営業活動をおすすめしない理由です。
情報発信や実績の積み重ねで、自分の価値を高めることに力を注ぎましょう。
その他の在宅ワークの始め方
ここまで、下記の手順で在宅ワークの始め方を解説しました。
- 在籍している会社の仕事を請ける
- ネットで新規開拓する
他にも「副業から始めて、稼げるようになってから在宅ワーク」という手順もあると思います。この手順は、どうなんでしょうか?
ちょっと、データを見てみましょう。
ITエンジニアの副業経験率は約40%
>>参考:ITエンジニアの「副業のリアル」調査レポート
というように、副業するエンジニアは増えていますね。
でも、同じ記事内に、
副業の平均月収は9千円未満~4万円台がボリュームゾーン
という調査もあります。
通常勤務をしながら、副業で20万円以上稼ぐのは、結構大変です。
このままでは、在宅ワークは夢のまた夢。
なので、業務委託で月20万円をキープしつつ、次の手を打つというステップ。
これが、現実的だと思います。
[3] 番外編:RPAは在宅ワークにフィットしている

僕は、自分で開発したシステムやツールの保守を行うことで、独立しました。
その後、RPAを知ってからは、RPAを中心にして仕事しています。
(「RPAを知らないよ」という場合は「RPAとは」をお読みください)
RPAは在宅ワークにとてもフィットしています。
番外編として、この話を少しだけしたいと思います。
「なぜRPAが在宅ワークにフィットしているか」というと、下記の通り。
- 案件が多い
- 開発が楽
- 教えるのが楽
①案件が多い
「RPA 案件」で検索すると、多くの案件がヒットします。
世間では「RPAブームは終わった」と言われているようですが、RPAブームのときに、RPAを購入した企業が日本全国にあります。
そのときRPAを購入した企業の多くは、まだ使いこなせていないでしょう。
使いこなせば有用なことはわかっているけど、できる人がいない。
だから、「RPAを開発できる人」を探しているわけです。
②開発が楽
.NetやJavaなどの開発に比べて、開発が断然、楽!!
ローコードなので、エンジニアであれば、数週間で一人前になります。
案件の内容も、「業務効率化」なので、難しくない。
いまから、RPAを始めるなら、「UiPath」か「Power Automate for desktop」がおすすめです。
- シェアが高くて、ニーズが多い
- ツールの開発会社が大企業
- 使いやすい
このサイトにRPA関連の記事を投稿しているので、興味のある人は拾い読みしてみてください。
>>UiPath関連の記事
>>Power Automate for desktop関連の記事
③教えるのが、楽。
在宅ワークのエンジニアにとってのRPAのメリットは、
教えるのが楽
ということです。
これは、
教育を仕事にできる
ということに、つながります。
RPAは外部開発よりも、内製化に向いています。
社内の業務を非エンジニアの人たちが中心になって自動化するという形。
でも、なかなか進まない……。
だから、教えてください! という流れになります。
この流れを摑まえることで、仕事になります。
このとき、もしプログラミング言語での開発だったら、教えられますか?
「変数を宣言して、インスタンスを生成して……」とか、「オブジェクトが」「クラスが」なんて、非エンジニアに説明できるはずがありません。
RPAはリモートで、口頭で教えることができるレベルの簡単さ、です。
これは、在宅ワークのエンジニアにとっては画期的なことです。
教育をして「先生」となれば、重要性は増し、時給も高くなります。
まとめ

この記事では
在宅ワークの始め方【ITエンジニア向け】
というテーマで書いてきました。
僕は多くの失敗をしてきたので、その中でうまく行ったエッセンスだけを抽出しました。
>>こんな記事も書いています:「独立開業すると必ず失敗します【ひきこもり体質の人限定】」
スマートな人は、もっとうまくできるのかも。
この記事は参考程度にして、自分なりのやり方で突き進むもアリです。
重要なのは、
フリーランスエンジニアとして、在宅ワークで生きていく
という明確なビジョンです。
それがあれば、クリエイティビティが発揮され、必ず実現します。
あせらず、あわてず、あきらめず。
じわじわと在宅ワーカーとしての地位を築いていくことがコツです。
そして、自由に自分の人生を生きてください!
将来的には、そういう人と横のつながりができればな、という僕の期待も込めつつ、記事を終了します。