データの集計方法【PAD×Excelベストプラクティス】

Power Automate for desktop(PAD)を活用してExcel業務を自動化する際、データの集計方法が適切に管理されていることが重要です。データの集計が統一されていないと、PADでの計算やデータ抽出が不安定になり、エラーや手作業の修正が発生する可能性があります。本記事では、PADと相性の良いデータの集計方法について解説し、実務での適用方法を紹介します。

1. 自動化しやすいデータの集計方法

1-1. ピボットテーブルを活用する

Excelのピボットテーブルを使用すると、データの集計が自動で更新され、PADが適切にデータを取得できるようになります。ピボットテーブルを活用することで、集計作業を手動で行う必要がなくなり、データの追加や変更に対しても自動で反映されるため、安定したデータ処理が可能になります。

1-2. 数式を利用して集計を行う

SUM、AVERAGE、COUNTIF、SUMIFなどのExcel関数を利用すると、データをリアルタイムで集計できます。PADで数式を適用したセルを取得することで、集計結果を自動的に取得することが可能になります。特に、SUMIFS関数を活用すると、条件に応じた集計を効率的に行うことができます。

1-3. テーブル機能を活用する

Excelの「テーブル」機能を使用すると、集計範囲が自動的に更新され、新しいデータが追加されても正しく認識されるようになります。これにより、PADが集計データを取得する際に、手動で範囲を変更する手間が省け、データの一貫性が保たれます。

1-4. 一貫したデータの並び順を維持する

データの並び順が統一されていないと、PADのデータ抽出処理が意図しない結果になることがあります。集計の前にソート機能を活用し、データを規則的に並べることで、PADの処理精度を向上させることができます。

1-5. フィルターを利用した動的な集計

Excelのフィルター機能を活用すると、条件に応じたデータをリアルタイムで絞り込むことができます。PADでフィルターを適用したデータを取得することで、集計対象を柔軟に変更でき、作業の効率化につながります。

1-6. マクロを利用した集計処理

Excel VBAを活用してデータ集計のルールを事前に設定し、PADでマクロを実行することで、データの集計を完全自動化することが可能になります。特に、大量のデータを定期的に集計する場合、マクロを活用すると処理時間の短縮につながります。

2. 自動化しにくいデータの集計方法

2-1. 手作業での集計

セルを手作業で入力し、手動でデータを集計している場合、PADでの自動処理が困難になります。数式を適用していないデータは変更のたびに手作業が必要になり、エラーが発生しやすくなるため、自動化の妨げになります。

2-2. セルの結合を使用したレイアウト

データを見やすくするためにセルの結合を使用すると、PADでのデータ取得が不安定になります。特に、集計表のヘッダー部分でセルを結合すると、PADがデータを正しく取得できない可能性があるため、結合セルは避けるべきです。

2-3. フォーマットが統一されていないデータ

数値と文字列が混在している場合、PADが適切に計算できないことがあります。例えば、「1000円」と「1000」のように、単位が含まれているデータが混在すると、正しい計算が行えなくなります。数値データとして統一し、単位は別の列で管理することが望ましいです。

2-4. 範囲が固定されていないデータ

集計範囲が手作業で管理されていると、新しいデータが追加された際にPADの処理が正しく動作しないことがあります。テーブル機能やピボットテーブルを活用することで、範囲を自動更新できるようにすることが重要です。

2-5. 統一されていない項目名

集計データの項目名が統一されていないと、PADが正しくデータを取得できません。例えば、「売上」と「売上金額」が混在していると、集計対象の列を誤って認識する可能性があります。項目名は統一したルールで管理することが重要です。

2-6. 手作業によるソートやフィルタリング

データを手作業で並び替えたりフィルターを適用すると、PADが正しいデータを取得できない場合があります。ソートやフィルターはExcelの自動機能を活用し、PADで適切なデータを取得できるように設定することが望ましいです。

3. まとめ

Power Automate for desktop(PAD)を活用したExcel業務の自動化では、データの集計方法を適切に管理することが重要です。ピボットテーブルやExcel関数、テーブル機能を活用することで、集計処理を効率化し、PADのデータ取得精度を向上させることができます。手作業での集計を避け、統一されたデータフォーマットを維持することで、PADによるスムーズな自動化を実現できる環境を整えましょう。