Power Automate Desktopの活用事例7選

RPA事例

Power Automate for desktopには、どういった活用方法があるの? 活用事例を知りたい。そこからヒントを得たい!

といった悩みに答えます。

この記事で紹介するPower Automate Desktopの活用事例
  1. Excelの一括コピーと名前変更
  2. Excelファイルを選択して起動
  3. システムへのログイン操作
  4. Webシステムデータ加工業務
  5. ExcelデータのWebシステム登録業務
  6. スクレイピングデータのメール送信業務
  7. PDFの請求書の金額取得業務
記事の信頼性

この記事を書いている僕は、Power Automate for desktopを仕事に使っていますし、本も書いています。
>>Power Automate for desktop業務自動化最強レシピ – RPAツールによる自動化&効率化ノウハウ

読者さんへの前書き

自分の周りに、同じ業務を見つけられたら、使ってみてくださいね。
応用するヒントも書いています。

1つ1つの事例を詳しく解説しているので、ぜひお読みください。
それでは、どうぞ!

この記事を書いた人
この記事を書いた人
こさい
こさい

(株)完全自動化研究所代表のこさいです。

1) エンジニア歴25年超。開発から業務改善まで幅広く経験してきました
2) 複数の企業においてRPAのコンサルティングを行っています
3) RPA関連の書籍を5冊出版しています

  1. オープンソースで作る!RPAシステム開発入門
  2. 実務者のための失敗しないRPAシナリオ設計入門
  3. UiPath業務自動化最強レシピ
  4. WinActor業務自動化最強レシピ
  5. Power Automate for desktop業務自動化最強レシピ

1. Excelの一括コピーと名前変更

基幹システムからダウンロードしてきたExcelファイルがダウンロードフォルダーに保存されているので、共有フォルダーにコピーするとともにファイル名に日付を加える。

という業務を自動化しました。

業務の詳細は?

この業務をわかりやすいように、図で示すと、こんな感じ。

ファイルをコピーして名前を変更する
ファイルをコピーして名前を変更する

ダウンロードフォルダーの[売上.xlsx]を、共有フォルダーにコピーして[売上20221201.xlsx]という名前に変更しています。

[在庫.csv]も同じように処理。

この業務の課題は?

この作業は、単純かつ簡単ですね。
そして、「よくある作業」だと思います。

、、ですが、操作するファイルの数が増えると、とてもメンドクサイ……。
しかも、毎日。

  • 該当のフォルダーを開く
  • 日付を考える
  • ファイル名を変更する

カンタンとはいえ、ストレスです。

Power Automate for desktopで自動化すると?

この業務をPower Automate for desktopで自動化すると、

コンソールの実行ボタンをクリックするだけ

で完了、です!

応用例は?

応用としては、

  • 基幹システムからExcelファイルをダウンロードするところも自動化する
  • 共有フォルダーに日付毎のフォルダーを作って、そのフォルダーにコピーする
  • Zip形式に圧縮して、名前を付けて保存する
  • コピーし終わったら、担当者にメールする

など。
すべて、Power Automate for desktopで自動化することができますよ。

2. Excelファイルを選択して起動

メンテンナンスの依頼を受けると、Excelファイルを開いてメンテンナンスする業務。メンテンナンスするExcelファイルは内容によって異なる。

という業務を自動化した事例です。

業務の詳細は?

図で確認しましょう。

ファイルをメンテナンスする業務
ファイルをメンテナンスする業務

依頼者が「分類Aの変更をお願い」とメールで依頼してきたら、作業者がそれを受けて分類Aのファイルを開いて指定カ所を変更するという業務です。

この変更が分類Aだけじゃなくて、分類Bのとき、分類Cのとき、
という具合に、複数の種類あるわけです。

このように、依頼を受けて各種ファイルを更新するのは、マスタメンテナンスの業務でよくあるパターンです。

なんで、こんな業務を?

めーたん
めーたん

なんで依頼者が、自分でファイルをメンテナンスしないの?

たしかに……。

でも、マスタファイルのメンテナンスは、1人がコントロールしないとぐちゃぐちゃになる可能性があるんですよね。

たとえば、

  • 余計な文字(改行コードや特殊文字など)が入力されてしまう
  • 数値の桁数が多くて「E+11」みたいに表示されてしまう
  • 全角と半角が混ざってしまう

このように、マスタファイルのメンテナンスに失敗すると、、

マスタファイルを利用するシステムが、エラーで止まってしまう

ことが考えられる、というわけ。

めーたん
めーたん

なるほど、ね

この業務の課題は?

この業務の課題は、

ファイルの保存場所を開かないといけない

ということ、です。

こういったマスタメンテは不定期に依頼を受けるので、そのたびにファイルの保存場所を探す手間がかかります。

他のなんらかの作業をしているわけなので、、
その作業を中断して、頭を切り替えないといけません。

Power Automate for desktopで自動化すると?

この業務を改善するために、Power Automate for desktopで自動化します。

ファイルを開くフロー
ファイルを開くフロー

フローを実行すると、

  1. ダイアログが表示されて「どのファイルを開きますか?」と聞かれる
  2. 該当するファイルを選択する
  3. 該当するファイルが、画面上に表示される

という流れ。

これによって、

  • ファイルの場所(パス)を思い出す必要がない
  • ファイルを探す時間が削減される

ということで、ストレスがかなり軽減されます。

こういう細かい自動化が、業務を早く正確に、そして楽にこなすために役立ちます!

応用例は?

応用として、

  • 対象のファイルを柔軟に増減できるように、外部ファイルにファイルの情報を持つ
  • 対象のファイルを開いた後に、作業しやすい状態にする

が、考えられます。

3. 基幹システムへのログイン操作

毎日、会社の基幹システムにログインしている。

という業務を自動化した事例です。

なんで、こんな業務を?

「基幹システムログイン」というフローを作って、実行するだけです。

めーたん
めーたん

これを自動化することに、意味があるの?

……そう、思うかもしれませんが、大きな意味があります。
それは、、

このフローを「再利用」するから。

「基幹システムログイン」は色々な場面で使いますから、一度作っておけば複数のフローから呼び出して使うことができるのです。

Power Automate for desktopには、外部からフローを実行する[Desktopフローを実行]アクションがあります。

ログインだけでも、意外と複雑……

加えて、「基幹システムログイン」は結構面倒な手順が必要となっていました。

この会社の基幹システムは、クラウドサービスを利用しているし、子会社も複数あるという状況なので

  • インターネットにつなぐときに、ユーザーとパスワードを求められる
  • 基幹システムにログインするときに、ユーザーとパスワードを求められる
  • 子会社を含め複数の会社の業務を行うので、アカウントを切り替えないといけない。よってブラウザーにアカウントを記憶させておいて使うと不都合がある

このように「ログインするだけ」といっても簡単じゃなかったわけです……。

読者さんの中にも「慣れちゃって、メンドウなことに気付いていない」ってことがあるかもしれませんね。それは自動化のチャンスですよ。

4. 基幹システムデータ加工業務

基幹システムから売上データをダウンロードしてきて、ローカルのExcelファイルと突合して別のExcelファイルを作成する。

という業務を自動化した事例です。どの会社でもよくあるパターンの業務なので参考になるかな、と思います。

業務の概要は?

この業務の概要を図で書くと、下図のようになります。

データ加工業務の概要

[担当者一覧.xlsx]は、この業務を行う人のパソコンに保存されていて、随時メンテナンスされています。

このExcelファイル[担当者一覧.xlsx]には、顧客とその営業担当者が、一覧で管理されています。「株式会社○○の担当者は、営業部の田中さん」といった情報です。

業務の手順は?

こさい
こさい

もう少し詳しく、この業務の手順を解説しましょう

  1. 基幹システムから[売上.csv]をダウンロードしてきたら、Excelで開く
  2. [担当者一覧.xlsx]もExcelで開く
  3. [売上.csv]にある[顧客コード]と、[担当者一覧.xlsx]の[顧客コード]で関連づけて、[売上.csv]に[担当者一覧.xlsx]の情報(担当者コード・担当者名)を付け加える
  4. Excelの計算式のままだと、保存後のファイルで正しく表示されなくなるので、計算式を値に変換する
  5. [売上.csv]に名前を付けて、Excelファイルとして保存する

Excelは、共有フォルダーに保存するので、各営業担当者が閲覧して、自分の売上を確認する決まりになっています。

めーたん
めーたん

こうやって聞くと、かなり、ややこしい業務ね

そうですね。だからこそ自動化が有効なんですね。

Power Automate for desktopで自動化すると?

Power Automate for desktopで自動化したフローの概要は下記の通り。

Power Automate for desktopのフローイメージ
Power Automate for desktopのフローイメージ

意外にすっきりしていますね!?

[Webシステムにログイン]という部分は上記の「基幹システムへのログイン操作」で解説したフローを再利用しています。

Power Automate for desktopには[Desktopフローを実行]というアクションがあり、このアクションを使うと別のフローを呼び出して利用することができるので、この仕組みを使っています。

また、上のフロー図では単純化していますが、実際にはこのフローを子会社の数分繰り返して行うように自動化しています。

下図のような感じです。

子会社の数分繰り返す
子会社の数分繰り返す

Power Automate for desktopを実行してほっておけば、一連の業務を10分程で完了してくれます。

その間パソコンはPower Automate for desktopに占有されてしまうので、パソコンを使わない作業を行っています。

5. 顧客データのWebシステム登録業務

Excelファイルで一覧化している大量の顧客データをWebシステムに登録する(WebシステムはCSV一括登録できない仕様になっている)。

という業務を自動化した事例です。使用頻度は低いフローですが効果はバツグン。似た業務があるならおすすめです。図で書くと下図のようになります。

業務内容はシンプルです。[顧客一覧.xlsx]にある顧客データをWebシステムに1件登録して、登録後に取得できる登録番号を[顧客一覧.xlsx]に書き戻す、これを顧客データ分ひたすら繰り返す業務です。

シンプルですが、顧客データは数百件あって日々増えています。この作業のために派遣社員を1人雇おうかとしていたくらいです。これこそPower Automate for desktopの価値が発揮できる案件だと思いませんか?

こさい
こさい

実際、この企業の役員の人から大変喜ばれました

派遣社員1人分の人件費がセーブできたからではありません。顧客データをWebシステムに登録することで、あとの戦略が実行できるようになったからです。「派遣社員を面接して、契約して、登録方法を教えて、やってもらう」となると、登録が何週間後になるかわかりません。下手すると何カ月後になっていたかもしれません。これを数日後には実行できるようになっていたわけですから、喜ぶのも当然だと思います。

6. スクレイピングデータのメール送信業

Webシステムでデータを検索し、画面に一覧表示させる。一覧表示されたデータをコピーしてExcelに貼り付けて保存。そのExcelファイルをメールで担当者に送る。

という業務を自動化した事例です。図で書くと下図のようになります。

スクレイピングとは情報を収集して加工する技術のことです。このWebシステムはデータの一括ダウンロード機能が付いていないので、直接画面からデータをスクレイピングするしかない…。古いシステムなので、ダウンロード機能を付けてもらうためにシステム改修すると、それだけで50万円以上の費用がかかるため断念した過去があるという、、。

さて、スクレイピングしたデータはCSVファイルとして保存して、このデータを必要としている担当者にメール送信します。Power Automate for desktopには[Webページからデータ抽出する]アクションがあり、複数ページにまたがるデータも一括して取得することができるので、このアクションを使っています。

メール送信するには、Outlookを利用しています。Outlookを普段使っている人であれば、メール送信サーバーの設定も行う必要がないため、[Outlookからのメールメッセージの送信]アクションを使うと早い!

Webシステムから複数ページに渡るデータを手作業で抜いていた昔には、もう戻れませんな!

7. PDFの請求書の金額取得業務

メールで送られてくるPDFの請求書の内容をExcelに転記する業務。転記する値は「請求書番号」「請求元企業名」「請求金額」の3点。

という業務を自動化した事例です。

複数の企業から同じフォーマットで請求書が送られてくるので、値を取得する処理は共通化できます。請求書のイメージはこのような感じです。2社とも同じフォーマットですね。最近はクラウドサービスを使う企業が増えてきており、同じフォーマットで送られてくるパターンが増えています。

同じフォーマットで送られてくるのでバラバラのフォーマットの請求書を管理するよりは楽なのですが、やっぱり管理のために一覧表を作る必要があるため、手作業でこの業務を行っていました。

そこでPower Automate for desktopで自動化しました。図で書くと下図のようになります。

Power Automate for desktopにはPDFからテキストを抽出するためのアクションが複数存在します。表形式のまま取得するときは[PDFからテーブルを抽出する]アクションが便利。表形式のデータをデータテーブルに取り込んで使うことができます。

しかし、この事例の請求書は表形式では取り込めなかったので、[PDFからテキスト抽出]アクションを使いました。テキスト抽出するとこのようにPDFの中身がテキストとして取得できます。

この中から「請求書番号」とか「請求元」とかを取り出すわけですが、そのためには[テキストの解析]アクションを使いました。

めーたん
めーたん

簡単に欲しい値が取り出せるのかな?

「正規表現」を使えば取り出せるよ。ネット検索すれば情報は出てくるよ

こさい
こさい

欲しい値が取得出来たら、Excelに転記して一覧表を作って終了です。

お互いデータだけで請求書をやり取りできれば、こんなフローは作らなくていいのですが、なかなかそうはならず…。Power Automate for desktopの活躍はまだ続きそうです。

まとめ

はい!ここまで、7つのPower Automate for desktopの活用事例をご紹介しました。

実は業務のパターンというのは、そんなに多くあるわけではありません。

僕は25年以上にわたって、多くの企業内で業務改善に関わってきましたが、だいたい同じような業務です。細かい箇所が違うだけ。

だから、この7つの活用事例で、十分、
あなたの自動化のヒントになると思います。

めーたん
めーたん

でも、、どうやって作ればいいの?

Power Automate for desktopを活用したくなったんだね!
すばらしいっ!

こさい
こさい

Power Automate for desktopの使い方を早く身に付けたいなら、
本で勉強しちゃうのが、一番かと思います。

次の記事で僕のおすすめ本を紹介しているので、参考にしてください!
>>Power Automate Desktopのおすすめの本5選

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