「UiPath」と「Power Automate for desktop」を比較しました

RPAの知識

ぶっちゃげ、、「UiPath」と「Power Automate for desktop」って、どちらがいいの?

という疑問に答えます。

本記事のテーマ

「UiPath」と「Power Automate for desktop」を比較

記事の内容
  • UiPathとPower Automate for desktopの全体比較
  • どちらの方が性能がいい?
  • どちらを導入すべき?
  • どちらが安い?
  • どちらを勉強すればいい?
記事の信頼性

この記事を書いている僕は、UiPathとPower Automate for desktop、両方の書籍を出版しています。
>>UiPath業務自動化最強レシピ-Amazon
>>Power Automate for desktop業務自動化最強レシピ-Amazon

そして、両方のRPAツールを仕事に使っているし、教えてもいます。それらの経験をもとに、両RPAツールを比較した見解を書きますね。

読者さんへの前書き

1つ、気を付けてを付けてもらわないといけないことがあります。

それは、

そもそも、「UiPath」と「Power Automate for desktop」は同列で比べることはできない

ということです。

「なんだ、そりゃ?」と思いますよね!?
でも、重要なので、下の注意をお読みください。

Power Automate for desktopは「Power Automate」というクラウド型のRPAの一機能が無料で提供されているものですが、UiPathはUiPath StudioやOrchestratorなどの製品群の名前であり、有料です。
UiPathにも無料版のUiPath Community Editionがありますが、試用目的、学習目的なので、Power Automate for desktopとは比べられません。
正確性を求めるなら、有料版の「UiPath」と「Power Automate(for desktopじゃなくて)」を比べないといけないでしょう(「Power Automate」と「Power Automate for desktop」の違いがわからない場合は「Power Automate Desktopとは?【5分でわかる】」をお読みください。)。

はい!意味がわからなかった、、ですよね。

ただ「UiPathとPower Automate for desktopのどちらがいいか」を知りたかっただけなのに、混乱を深めるだけですね。

なので、この記事では

あえて、「UiPath」と「Power Automate for desktop」を比較します。

まずは、「正確」じゃなくても、ばくぜんと「UiPathとPower Automate for desktopの違い」のニュアンスをつかむことが、この先、判断するために必要だと思うからです。

両ツールの客観的な比較に加えて、僕なりの考えもまとめました。

この記事で「大きな枠」の理解ができれば、判断の助けになると思います。
ぜひお読みください。

修正履歴

2022/08/05 組織として有料ライセンスを利用する場合の説明を修正しました。
2022/08/07 組織のアカウントとMicrosoftアカウントの説明を修正しました。

この記事を書いた人
この記事を書いた人
こさい
こさい

(株)完全自動化研究所代表のこさいです。

1) エンジニア歴25年超。開発から業務改善まで幅広く経験してきました
2) 複数の企業においてRPAのコンサルティングを行っています
3) RPA関連の書籍を5冊出版しています

  1. オープンソースで作る!RPAシステム開発入門
  2. 実務者のための失敗しないRPAシナリオ設計入門
  3. UiPath業務自動化最強レシピ
  4. WinActor業務自動化最強レシピ
  5. Power Automate for desktop業務自動化最強レシピ

UiPathとPower Automate for desktopの比較

最初に、「UiPath」と「Power Automate for desktop」を比較表を掲載します。

「OS」や「ネット接続の必要性」など、細かい点で違いがあります。
この段階で選択できる人もいるかもしれませんね。

「読むのメンドクサイな」と思ったら、飛ばして、「全体的な比較」から読んでください。

項目UiPathPower Automate for desktop
開発元UiPathMicrosoft
OS

Windows7~

Windows10~

OS(MAC)

×

×

開発ツール

UiPath Studio

フローデザイナー

ネット接続必要なし必要
開発画面

フロー型、リスト型

リスト型

シナリオの保存先ローカルパソコンクラウド
シナリオの共有ファイルの共有やGitでの管理により可能有料ライセンスの場合はクラウド上で可能。無料ライセンスの場合はテキストファイルにフローをコピー&ペーストして保存することにより共有できる。ただし複数のサブフローがある場合は、それぞれ別に保存する必要がある

Git連携機能

×
拡張〇 カスタムアクティビティ、DLL呼び出し等×

レコーディング機能

画像マッチング

Excel無しの環境でのExcelファイル連携

×

変数のスコープ(使用できる範囲)設定

〇 変数の使える範囲を限定できる× 変数の使える範囲を限定できない。グローバル変数のようにフロー内のどこからでも使える。細かい管理がいらないが、変数が多くなると煩雑になる

例外処理

まとめて、Try~Catchでエラー処理できる

1アクションごとのエラー発生時の設定、もしくはブロックエラー発生時アクションを使った複数アクションのエラー処理がある。初心者には少しわかりにくいかも
開発ツールの価格Community Editionの場合無料(利用には条件あり)。有料ライセンスは販売店に問い合わせが必要で、ライセンスに形態により費用も異なる無料

管理機能

別途、Orchestratorというサービスがある。ユーザー管理、ロボットの管理、パッケージ管理、共通変数(アセット)の管理、ログ管理、スケジュール実行など

ログ管理、スケジュール実行、フローの共有、クラウドフロー(PowerAutomate)との連携などの機能を利用するには別途、PowerAutomateのライセンスが必要。

管理機能の価格

販売店に問い合わせが必要。サブスクリプションにオプションとして組み込まれているパターンもある

アテンド型RPAの1ユーザー:52,200円/年(4,350円/月)

1フロー:130,440円/年(10,870円/月) ※最低5フロー

※価格は変動することがあります。詳しくはこちらを参照してください

非アテンド型実行※1

非アテンド型ロボットのライセンスが必要。費用は販売店に問い合わせが必要

非アテンド型RPAアドオンのライセンスが必要。195,720円/年(16,310円/月)

変数の日本語使用×
サブルーチンの日本語使用〇 ワークフロー名などのほとんどは日本語が使える× サブフロー名は英語
学習UiPathからUiPathアカデミーが無料で提供されている。コミュニティも発展しているため多くのヘルプが手に入るトレーニングサイトがある

※1)非アテンド型:Windowsにユーザーがログインしてい ない状態であっても、バックグラウン ドで実行されるRPA。完全自動化用

上記の表を眺めただけでは、判断できなかったかもしれませんね。
なので、次に、僕の意見を含めた比較をしていきます。

全体的な比較

まず、UiPathとPower Automate for desktopを比較するポイントを3つ挙げます。

  • 利用する人のカテゴリー
  • 価格
  • 日本語化

詳しい解説は、後ほど行うので、ここでは軽くニュアンスだけを掴んでください。

利用する人のカテゴリー

UiPathは組織での開発向きで、どちらかというと、エンジニア向き。
でも、個人利用、小規模利用もできる、オールマイティな高性能RPAツールって感じ。

Power Automate for desktopは、システム的な知識を必要とせず気楽に使える、という印象なので、どちらかというと、個人的に自動化したい非エンジニア向き。

価格

UiPathは無償のCommunity Editionライセンスを使って、小規模企業や個人で利用することができます。

しかし、基本的に組織での開発を目的とした製品ですので、本格的に利用することになったら、製品版を有償で購入することになります。

Power Automate for desktopは「Power Automate」というクラウド型RPAサービスの一機能であり、デスクトップRPA機能部分のみが無料で提供された、という形です。
(この記事で解説しています>>Power Automate Desktopとは?【5分でわかる】

UiPathとは、違った意味合いですね。

日本語化

UiPathは、日本語化対応が進んでいるので、ヘルプや教育も日本語で見つけることができます。

Power Automate for desktopは、開発環境の日本語化対応が、UiPathに比べると進んでいないので、日本語が使えない部分(たとえば、変数名)もあります。

こさい
こさい

なんとなく、ニュアンスがわかってきたかな?

と、いうわけで、3つのポイントを挙げました。
さらに掘り下げた内容を解説します。

どちらの方が性能がいいか?

性能、という切り口で比較します。

単純に性能だとUiPath

下記のような機能を考えると、UiPathの方が性能が優れていると思います。

  • Git、TFS、FSTS、VSTS、SVN とのソース管理統合
  • 共有・再利用可能なコンポーネントを使った拡張
  • ライブラリの利用
  • 高度なデバッグ機能
  • ワークフロー全体での検索機能

などなど、他にもたくさんあります。
>>自動化を自在に設計するキャンバス(UiPathの公式サイトにリンクします)

基本機能は同等

ただし、自動化に必要な基本的機能、たとえば、

  • 画面の要素を認識する機能
  • 自動化部品の数や内容
  • 自動化フローの構築しやすさ

などに、大きな差はないと思えます。

UiPathは高機能ですが、その分、エンジニアでない人には難しく感じるでしょう。

「簡単な自動化しかしないよ」

という人にとっては、Power Automate for desktopの方が扱いやすいと思います。

どちらのRPAツールを導入すべきか

どちらのRPAツールを導入すべきかは、どの立場で考えるかによって違ってきます。

  • エンジニアでシステム開発的に業務を自動化する立場
  • 非エンジニアで本格的に業務を自動化する立場
  • 個人業務を自動化する立場

という3つの立場で解説します。

エンジニアでシステム開発的に業務を自動化する立場

エンジニアでシステム開発的に業務を自動化する立場なら、UiPathがおすすめ
Git連携機能や拡張機能など、高度なシステム開発が可能な環境が、整っているからです。

Orchestratorを導入することで、多数のRPA実行端末とそこで動作するシナリオを管理することもできますし。

一方、Power Automate for desktopも、有償ライセンスのクラウドフロー(Power Automate)と連携することで、組織的に利用するのに便利な機能が使えます。

「組織として利用する場合は、必ず有料ライセンスが必要」というわけではありません。「組織的に利用するのに便利な機能を使うには有償ライセンスが必要」ということです。

しかし、現時点では「中~大規模でRPAシステムを構築している」という情報を探すことは、難しい(僕が知らないだけかも……)です。

下記のような企業であれば、検討できると思います。

  • すでにOffice365を導入している
  • 先進的な技術にトライしたい
  • 知見のあるベンダーのサポートを受けることができる

非エンジニアで本格的に業務を自動化する立場

どちらのRPAツールも、非エンジニアの人だけで導入するのは難しいと思います。

多くのパターンは、

  • 情報システム部署が環境を整備して、管理する
  • 非エンジニアの人が業務の自動化をする

という役割分担でしょう。

この場合、情報システム部署がRPAツールを選ぶので、そのツールを使えるようにがんばる、だけです。

ただ、まれに、非エンジニアの人だけでRPAの本格導入できるパターンがあるようです。
最初から、エンジニア気質があるのでしょう!

その場合は、僕ならUiPathをおすすめします。
理由は「エンジニアでシステム開発的に業務を自動化する立場」と同じです。

個人業務を自動化する立場

個別業務を自分のパソコン内で自動化する

というときは、エンジニア/非エンジニアを問わず、Power Automate for desktopでしょう。

なぜなら、Power Automate for desktopは、

  • 完全に無料で利用できる
  • シナリオはクラウドに保存される
  • 開発画面がシンプル

なので、システム的な知識を必要とせず、気楽に使えるからです。

勉強するための書籍もたくさん出版されています。
>>Power Automate Desktopのおすすめの本5選

どちらのRPAツールが安いか?

「どちらのRPAツールが安いか?」
気になるところだと思いますが、

ライセンス形態や利用方法によるので、同じ条件での比較はできません。

なので

10人以下の小規模で、個人の個別業務を自動化するような使い方をする場合

で考えてみますね。

この場合、Power Automate for desktopが安いです。
というか、Power Automate for desktopだけを使うなら、無料です。

もし、クラウドフロー(Power Automate)の有償ライセンスと組み合わせても、間違いなくPower Automate for desktopのほうが安いです。

UiPathの場合、小規模でも年間200万円程はかかると考えた方がいいです。

開発環境と実行ロボットを1台ずつなら、数十万円ですが、企業内での運用を考えたら、もう少しライセンスが必要という見積りです。

もっとも、ここまで解説してきたように、UiPathとPower Automate for desktopは、RPAツールとしての基本的な思想が異なるので、単純に費用を比較しても意味がありません

費用対効果を最大化するためは、

  • どのようにRPAツールを利用方法するのか
  • 自社の人材に合ったRPAツールはどれか
  • そのために、必要なライセンスの組み合わせはなにか

を的確に判断することが重要です。

特に、UiPathのライセンス形態は、よく変更されるので、詳しいベンダーの説明を受けてくださいね。

どちらのRPAツールを勉強すべきか

「どちらのRPAツールを勉強すべきか」
これも立場によって違いますね。

エンジニアとしてシステム開発的に業務自動化を行うことを目指す

エンジニアとして、システム開発的に業務自動化を行うことを目指すなら、

UiPathを勉強した方がいい

でしょう!

勉強方法としては、無償のCommunity Editionをインストールして使ってみるのが、一番早いでしょう。
以下の記事でインストール方法を解説しています。
>>Uipath Community Editionのインストール方法

素早くUiPathの知識を付けたいなら、本を読むことをおすすめします。
>>UiPath|おすすめの本4選

個人的な業務を自動化できればいい

「個人的な業務を自動化できればいい」「エンジニアじゃないので難しいのはムリ」という人は、

Power Automate for desktopを勉強した方がいい

でしょう。

UiPathはかなりシステム開発に近いので、「個人的な業務を自動化できればいい」というくらいの人にとっては、ハードルが高い、、ですね。

Windows10/11のパソコンを使っている人なら、無料で使えるので、気軽に試せます。
以下の記事でインストール方法を解説しています。
>>Power Automate desktopのインストール方法

Power Automate for desktopを勉強するための書籍もたくさん出版されています。
>>Power Automate Desktopのおすすめの本5選

まとめ

この記事では「UiPath」と「Power Automate for desktop」を比較しました。

どちらも

  • 人気があって、身に付ければ多くの会社で使える(転職しても使える)
  • UiPath社もMicrosoft社も大企業なので安心
  • 使いやすい
  • 性能も優れている
  • 無料で使ってみることができる

というわけで、悩んでしまうのもわかりますね!

一方、根本的な設計思想には、大きな違いがあることを解説してきました。
(「大きな違いってなんだっけ?」という場合は、何度か読み返してくださいね)

結局は、

自分たちに合っているRPAツールはどちらか?

が大事です。

「直接、こさいに聞いてみたい」という場合は、僕のオンラインRPAコンサルを利用してください。RPA経験者向けのコンサルなんだけど、初回無料なので、「聞くだけ聞いてみる」っていうのもアリ!
>>オンラインRPAコンサル|こさナビ

「自分でもう少し掘り下げてみる」と言う場合は、無料で使えるので、実際に触ってみることが一番の情報収集になるでしょう。
>>Uipath Community Editionのインストール方法
>>Power Automate desktopのインストール方法

実際に使ってみると、

「あっ、この記事の言っている意味がわかってきた」

となるんじゃないかな、と思いますよ。

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