こんにちは。完全自動化研究所の小佐井です。
僕が担当した案件の要件定義を解説します。
概要把握を行う
まず現状を詳しく把握します。
現状把握の項目
以下の項目を押さえました。
項目 | 内容 |
業務名 | 単品売上分析表作成業務 |
目的 | 売上向上のための施策を立て、同時に過剰在庫を減らす |
担当者 | 商品部/小坂 |
インプット | BIシステム1と2、在庫データ(CSV) |
処理 | 単品売上データと在庫データを突合する。小分類内での売上構成比を算出する |
アウトプット | 単品売上分析表 |
発生条件 | 毎週月曜日の午前中 |
項目 | 内容 |
作成日 | 2019年10月1日 |
更新日 | 2022年5月14日 |
作成者 | 商品部/桜丸 |
【表1】業務シナリオのヘッダーフォーマット
サンプル
インプット、アウトプットのサンプルを提出してもらいます。
また、現状使っているアプリケーションの画面イメージもハードコピーして保管しておきます。
フローの図式化
より明確に現状を把握するために、以下のようなフロー図を作成します。
【図1】単品売上分析フロー
これは、売上分析表を作成するためのフロー図です。
これを見ると、品番マスタは人が作成し、売上実績はデータベースから、在庫データはメールで取得することが分かります。そして、人が手作業ですべてのデータを加工して、帳票を作成しています。
概要設計
成果物設計
最終的にユーザーに自動配賦される成果物のイメージを作ります。ただし、開発時や運用開始後に変更になる場合もあることを想定してください。
粒度分析
粒度とはデータの細かさです。成果物を作成するために、必要なデータの粒度を洗い出します。
日 | 月 | 店舗 | 品番 | |
売上数量 | ○ | ○ | ○ | ○ |
売上金額 | ○ | ○ | ○ | ○ |
在庫数量 | ○ | ○ |
データソース分析
粒度分析したデータの要件を満たすデータソースを特定します。
現在のデータソースが正しいとは限りません。現場の担当者にヒアリングした場合、ほとんどが「前任者がそうやっていたから、この方法でデータを取得している」と答えるでしょう。さらに簡単で正確な方法でデータが取得できるケースは多々あります。
ちなみに、RPA導入の際に、「現状の業務をまったく変えずに、そのままロボットにさせればいい」と説明されるかもしれませんが、実際は「ほぼ無理」です。なぜなら、前述のようにシステム的に見て、非常に非合理的な方法でデータを扱っている場合が多いからです。
データソースを特定したら表にまとめます。
N0 | データ | データソース |
1 | 品番マスタ | エクセル |
2 | 売上実績 | BI(単品売上実績) |
3 | 前日在庫実績 | BI(在庫照会) |
メールでもらっていた在庫が、実はBIから取得できることが分かりました。