RPAとRDAの違いを徹底解説!特徴・メリット・使い分けのポイントをわかりやすく解説

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とRDA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)は、業務の自動化を目指す技術として注目されています。しかし、これらは異なる特徴と適用範囲を持っています。本記事では、RPA推進担当者の皆様に向けて、RPAとRDAの違いを詳しく解説し、各技術の適切な活用方法について考察します。

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こさい
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(株)完全自動化研究所代表のこさいです。

1) ITエンジニア歴25年超。RPA開発歴8年超
2) RPA関連の書籍を6冊出版。
3) RPAトレーニング動画を販売しています。
4) Power Automate Desktopフロー販売を行っています
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RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは

RPAは、企業の業務プロセスを自動化するための技術であり、主に以下の特徴を持っています。

  • 業務プロセス全体の自動化: RPAは、複数のシステムやアプリケーションにまたがる業務プロセス全体を自動化します。例えば、受注から請求書発行までの一連の業務を自動化することが可能です。
  • サーバーベースの実行: RPAはサーバー上で実行され、ユーザーの操作を必要とせずにバックグラウンドで動作します。これにより、24時間365日の業務遂行が可能となります。
  • 高いスケーラビリティ: RPAは、業務量の増減に応じて容易にスケールアップやスケールダウンが可能であり、企業の成長や変化に柔軟に対応できます。

RDA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)とは

一方、RDAはデスクトップ上のタスク自動化に焦点を当てた技術で、以下の特徴があります。

  • ユーザー支援型の自動化: RDAは、ユーザーのデスクトップ上での操作を支援する形で自動化を行います。例えば、定型的なデータ入力や情報検索を自動化し、ユーザーの作業効率を向上させます。
  • ユーザーインターフェースの操作: RDAは、ユーザーが日常的に使用するアプリケーションのインターフェースを直接操作することで、自動化を実現します。これにより、既存のシステムに変更を加えることなく導入が可能です。
  • 即時性と柔軟性: RDAは、ユーザーの要求に応じて即座にタスクを実行でき、柔軟な対応が求められる業務に適しています。

RPAとRDAの主な違い

RPAとRDAの主な違いは、以下の点に集約されます。

  • 適用範囲: RPAは企業全体の業務プロセスを対象とし、RDAは個々のユーザーのデスクトップ作業を対象とします。
  • 実行環境: RPAはサーバー上でバックグラウンド実行され、RDAはユーザーのデスクトップ上でフォアグラウンド実行されます。
  • ユーザーの関与: RPAはユーザーの介在なしに自動化を行い、RDAはユーザーの操作を支援・補助する形で自動化を行います。

RPAとRDAの比較表

RPAとRDAの比較表で違いを確認しましょう。

項目RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)RDA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)
対象業務範囲企業組織としての全社的な業務プロセス個人のデスクトップ作業
主な用途業務プロセス全体の効率化ユーザーの作業効率化
自動化のスコープ複数システム間の自動化アプリケーションの操作補助
システム構成クライアント・サーバー型またはクラウド型
(集中管理)
スタンドアロン型
ユーザーの関与ユーザーの介在無しユーザーと連携
開発RDAより難度は高いRPAと比べると容易。非エンジニアでも作れるように工夫されている。
運用管理手動実行もスケジュール実行も可能。シナリオや実行結果、ログなどの集中管理ができ、IT部門が一括管理。基本的に手動で実行。運用は各ユーザーに任せられる。
導入コストRDAに比べて導入コストが高い。パソコン1台につき1ライセンスを購入スタイルが多い。RPAと比べて導入コストが低い。
スケーラビリティ高い。スケールアップが容易。低い。ユーザー依存。

RPAとPDAのメリット・デメリット

比較表を見てもらいましたが、今度は「メリット・デメリット」という切り口で整理しました。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)RDA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)
メリット・大規模な業務プロセスの自動化が可能
・スケジュール実行により、人を介しない完全自動化が実現できる
・スケーラビリティが高い。
・初期導入コストが安い
・迅速な導入と即時性のある自動化が可能
・ユーザーの操作を柔軟に補助
デメリット・初期導入コストが高い
・開発の難度がRDAより高い
・サーバー側の運用保守が必要になる
・ユーザー依存度が高い
・台数が増えると管理工数とライセンスコストが増える
・全社的なスケールアップが困難

適切な技術の選択

RPA推進担当者としては、業務内容や目的に応じてRPAとRDAを適切に選択・組み合わせることが重要です。例えば、全社的な業務プロセスの効率化を図る場合はRPAが適しており、個々の従業員の作業効率を向上させたい場合はRDAの導入が効果的です。

RDAとRPAの違いはツールの違いではない

RDAとRPAの違いを考える際に重要なのは、「ツール自体の違い」ではなく、「利用方法や運用スコープの違い」であることです。実際、多くの自動化ソリューションは、RDAとして小規模なデスクトップ業務から導入を始め、その後、適用範囲を広げることでRPAへと移行できる柔軟な設計になっています。

例えば、RDAとして利用する場合は、特定の従業員が自身の業務を効率化するために導入します。しかし、同じツールを複数の部門で使用するようになると、RPAとして企業全体の業務プロセスを統合的に自動化する方向に進むことも可能です。このように、一部のツールでは、ライセンス形態をRDAからRPAに変更するだけでスケールアップが可能な場合もあります。

この柔軟性は、企業が初期段階での導入リスクを抑えながら、必要に応じて自動化範囲を拡大していく戦略を取れる点で大きなメリットです。「まずはRDAで小規模に始め、成果を確認してから全社導入を検討する」というアプローチは、多くの企業で成功事例となっています。

まとめ

RPAとRDAは、業務自動化を実現するための異なる特性を持つ技術です。RPAは企業全体の業務プロセスを広範囲に自動化するのに適し、RDAはユーザーのデスクトップ上で迅速かつ柔軟に自動化を行います。

これらはツールの違いではなく、運用スコープの違いが本質です。RDAとして小規模に導入し、ニーズの拡大に応じてRPAに移行する柔軟なアプローチは、多くの企業で有効です。

自社の業務内容を踏まえ、RPAとRDAの適切な活用方法を検討することで、効率的で生産性の高い業務運用を実現しましょう。