変更が多い定数をExcelに保管しておき、フロー内で読み込んで利用するテクニックについて解説します。フローの運用は長い期間に渡ります。その間に変更も複数回行われるでしょう。このテクニックを知っておくと変更に強いフローを作ることができますよ。運用を楽にしたいという方は是非記事をお読みください。
この記事では次のことがわかります。
- 外部ファイルを使って変更に強いフローを作るテクニック
- [Excelワークシートから読み取る]アクションの使い方
- [特別なフォルダーを取得]アクションの使い方
フローを作りながら説明するので、いっしょにフローを作ってくれると理解が進むと思います。
それでは、どうぞ!
作成するフローの説明
「これから作成するフローはどんなものか?」を説明しますね。
- Excelで作成した外部ファイルを読み込む
- その値を使ってサンプルWebサイトを開く
- ユーザーIDテキストボックスに入力する
というフローです。
実際にフローを実行すると、この状態で終了します。
サンプルWebサイトのユーザーIDにテキストが入力されていますね。
カンタンですが、奥は深いですよ。
それでは、準備から始めましょう!
準備しよう
フローを作る前に準備をしましょう。やることは2つだけなのでカンタンですよ。
- 外部ファイル(Excel)を作成する
- サンプルWebサイトを開く
では始めましょう♪
外部ファイル(Excel)を作成する
外部ファイルとしてExcelファイルを準備しましょう。
3つの項目を作成してください。最初の行は列のタイトルになります。
- URL: http://marukentokyo.jp/sample_website/
- userid: login@marukentokyo.jp
- password: password
作成した後のイメージはこのようになります。罫線や背景色は付けても付けなくてもOKです。
作成できたら、名前を付けて保存してください。
ドキュメントフォルダーの中に「PAD」フォルダーを作り、その中に「Data」フォルダーを作って、その中に「パラメーター.xlsx」という名前で保存してください。
「ドキュメントフォルダー\PAD\Data\パラメーター.xlsx」(PADでは\マークはバックスラッシュで表現されます)というパスになります。
サンプルWebサイトを開く
ブラウザーはMicrosoft Edgeを使います。
Microsoft EdgeでサンプルWebサイトを開いてください。
URL: http://marukentokyo.jp/sample_website/
フローを作成しよう
準備が完了したので、フローを作っていきましょう!
まずは新規フローを作成するところからですよ♪
[外部ファイル利用]というフローを新規作成する
[外部ファイル利用]というフローを新規作成してください。
フローを新規作成すると、このようにフローデザイナーが表示された状態になりますね。
では、メインフローにアクションを追加していきましょう。
[特別なフォルダーを取得]アクションを追加する
[特別なフォルダーを取得]アクションをメインフローのワークスペースに追加してください。
[特別なフォルダーを取得]ダイアログが表示されるます。
[特別なフォルダーの名前]のドロップダウンリストから[ドキュメント]を選択してください。[特別なフォルダーのパス]は自動的に入力されますが、環境によって異なります。
[SpecialFolderPath]という変数が生成されてますね。この変数にドキュメントフォルダーのパスが格納されるんですね。
では、[保存]をクリックしてダイアログを閉じてください。
[Excelの起動]アクションを追加する
次にExcelを起動する設定です。
[Excelの起動]アクションを[特別なフォルダーを取得]アクションの後に追加してください。
[Excelの起動]ダイアログが表示されるので、[Excelの起動]のドロップダウンリストから[次のドキュメントを開く]を選択してください。
[ドキュメントパス]に「%SpecialFolderPath%\PAD\Data\パラメーター.xlsx」と入力してください。
変数[SpecialFolderPath]には[特別なフォルダーを取得]アクションで取得したドキュメントフォルダーのパスが格納されているので、環境の変化に合わせられるようになっています。
というわけで、ダイアログの設定が完了したら[保存]をクリックしてダイアログを閉じてください。
[Excelワークシートから読み取る]アクションを追加する
Excelを開くところまで設定できたので、次は[Excelワークシートから読み取る]アクションを[Excelの起動]アクションの後に追加してください。
[Excelワークシートから読み取る]ダイアログが表示されますね。
[Excelインスタンス]には最初から[%ExcelInstance%]がセットされてるはず。
ではまず、[取得]のドロップダウンリストから[ワークシートに含まれる利用可能なすべての値]を選択してください。
[詳細]をクリックして、[範囲の最初の行に列名が含まれています]を[有効]にしてください。[パラメーター.xlsx]の最初の行はタイトルなので、[有効]にすることを忘れないようにしてください。
読み取ったデータはデータテーブル型の変数[ExcelData]に格納されます。設定はこのようになっていますか?
[保存]をクリックしてダイアログを閉じてください。
[Excelを閉じる]アクションを追加する
[Excelを閉じる]アクションを[Excelワークシートから読み取る]アクションの後に追加してください。
[Excelを閉じる前]はデフォルトの[ドキュメントを保存しない]のままでOKです。
設定するところはないので、そのまま[保存]をクリックしてダイアログを閉じてください。
4つのアクションを追加して設定しましたね。このようにフローが作成されていますか?
ここまでで、外部ファイル(パラメーター.xlsx)を読み込んで、データテーブルに格納するところが完成しました。
それでは、続いてサンプルWebサイトを操作するフローを作成していきましょう。サンプルWebサイトにデータテーブルに格納したデータを入力します。
[新しいMicrosoft Edgeを起動]アクションを追加する
Microsoft Edgeを起動するためのアクションを追加します。
[新しいMicrosoft Edgeを起動]アクションを[Excelを閉じる]アクションの後に追加してください。
[新しいMicrosoft Edgeを起動]ダイアログが表示されるので、[起動モード]は[新しいインスタンスを起動する]のままとし、[初期URL]に「%ExcelData[0][‘URL’]%」(「URL」の前後はシングルクォーテーション)と入力してください。
設定されたダイアログはこのようになります。
[保存]をクリックしてダイアログを閉じてください。
[Webページ内のテキストフィールドに入力する]アクションを追加する
データテーブルに格納したデータをサンプルWebサイトに入力する部分を作っていきます。
[Webページ内のテキストフィールドに入力する]アクションを[新しいMicrosoft Edgeを起動]アクションの後に追加してください。
[Webページ内のテキストフィールドに入力する]ダイアログが表示されるので、[UI要素]にサンプルWebサイトの[ユーザーID]の入力ボックスを指定してください。
[テキスト]に「%ExcelData[0][‘userid’]%」(「userid」の前後はシングルクォーテーション)と入力してください。「%ExcelData[0][1]%」と入力しても同じ値を入力できます。
設定が完了すると、このようになります。
[保存]をクリックしてダイアログを閉じてください。
このようにフローが作成されていますか?
これで外部ファイルを使う変更に強いフローが完成しました。
まとめ
サンプルWebサイトのURLとユーザーIDは[パラメーター.xlsx]の値が使われました。
ユーザーIDとパスワードに変更があった場合は[パラメーター.xlsx]を修正すればいいので、フロー[外部ファイル利用]は修正する必要がありません。
このように外部ファイルを利用してフローを変更に強くするテクニックは、運用を楽にしてくれるので、ぜひ身に付けて活用してください。
本記事で作成したフローは次の記事でも使用しています。合わせてお読みください。
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