Power Automate for desktopとは何ができて、何ができないのかはっきり理解したい。
という方に向けて、Power Automate for desktopの「できること」と「できないこと」を分かりやすく解説します。
できること
1. デスクトップ作業を効率化できる
Power Automate for desktopは、PC上の繰り返し作業を自動化するためのツールです。たとえば、特定のソフトウェアを開き、決まった操作を行うような定型業務に強みがあります。
例:
- 毎日特定のフォルダにファイルを移動する作業
- ソフトウェア間でデータをコピー&ペーストする作業
- 日次レポートの生成と保存
2. Excel業務を効率化できる
Excelの操作は、Power Automate for desktopの強みの一つです。ルーチンワークが多いExcel業務を効率化できます。
例:
- 定型フォーマットへのデータ入力
- 複数のExcelファイルを統合し、特定のデータを抽出
- ピボットテーブルの作成や更新を自動化
3. PDF業務を効率化できる
PDFのデータ処理も自動化可能です。特に手動では時間がかかる情報の抽出や変換作業が効率化されます。
例:
- PDFからテキストデータや特定の情報を抽出
- 複数のPDFを一括変換してExcel形式にまとめる
- PDFファイルを分類して指定のフォルダに保存
4. Webサイトを使った業務を効率化できる
Webブラウザを使用した業務も自動化可能です。特に、データ入力や情報収集などの繰り返し操作を効率化します。
例:
- Webサイトから定期的にデータを収集(スクレイピング)
- フォームへの自動入力
- Webベースのシステムでのデータ更新
5. メールを使う業務を効率化できる
メール関連の作業を自動化することで、コミュニケーション業務を効率化できます。
例:
- 毎日特定のメールを収容し、添付ファイルを保存
- 一括でメールを送信
- メール内容を基にデータベースを更新
できないこと
1. Windows10より前の作業環境の自動化
Power Automate for desktopはWindows10以降の環境で動作するため、Windows10より前のOSでは使用できません。
2. 複雑な意思決定が必要な業務
Power Automate for desktopはあくまでルールベースのツールです。感情や柔軟な判断が求められる業務(例:客様対応や経営判断)は苦手です。AIと連携することで実用に近づいてきています。
3. 大規模なデータ処理
大規模なデータ処理や分析には、別途Power BIやSQLなどの専用ツールが適しています。Power Automate for desktopは中小規模のタスクに特化しています。
4. システムの複雑な連携
外部APIを介した高度な連携が必要な場合、Power Automate(クラウド版)や他の開発ツールとの使い分けが求められます。
5. スケジュール実行
フローをスケジュール実行する機能がなく、Power Automate(クラウド版)の契約を行う必要があります。
6. 頻繁に変更がある業務
操作対象の画面やシステムが頻繁に変更される場合、自動化シナリオの再設定が必要になるため、運用コストが高くなります。
まとめ
Power Automate for desktopは、デスクトップ作業やExcel、PDF、Web、メール関連の業務を効率化する強力なツールです。一方で、柔軟な判断を要する業務や大規模なデータ処理には限界があります。そのため、自動化の対象となる業務を仔心に選び、効果的に活用することが成功の鍵となります。