正直に言う時代になった

昨今の芸能界の動きや報道の方向性を見ていると、時代が変ったととつくづく感じさせられる。
特に僕のような昭和後期世代は強烈に感じるんじゃないかな。

ジャニーズ問題、松本人志氏の問題、など。
もちろん、裏では米国を中心に大きな話題となっているものがあるから、それを隠すためじゃないか、という話もあるんだけど、それはいったん置いておこう。

ともかく、どう変ったか、そしてこれから変わるか?

正直に言う時代

になったということ。

隠し事ができない。取り繕うことができない時代。
いや、正確に言うと、できるはできる。
でも、それが支持されない。
支持されないから、売れない、稼げない、という時代になる。

今の40代、50代の世代の常識では、
・なるべく不利な情報は隠して秘密を持っていて、相手に幻想を抱かせることが有利
・優れている情報だけはアピールする
・本音と建前はわける
だった。

表の顔を立派に見せてアピールすれば、裏で姑息なことをしていてもOK。
周りの人もそのことを薄々わかっているけど、「人間ってそんなもん。利益を与えてくれている限り許す」というスタンスだった。

例えば、僕が「アメリカの大学を主席で卒業してMicrosoftから誘いがきたけど断わって、複数の会社を起業。アフリカの貧困を救うために寄付し、SDGsのために活動している」みたいなウソもギリギリ可能だったわけだ。

今でもそういう人はいるし、これからもこういう人を信じて付いていく人もいるだろうけど、大枠ではダメ。
だって、どうやってもバレるもん。

なんで、AIがあるかわかるよね?
AIは別に僕らのためにあるわけじゃない。
AIが出たらなにする?
絶対、「人の分析」をするに決まってる。
あいまいで分析できないモノを分析できるようになったのがAIの「凄さ」なんだ。
ネット上にある匿名の書き込みからでも、膨大な情報をもとに個人まで特定できるようになる。
その個人の志向、思想、実績を把握できる。
隠したってムダだ。
プライベートなチャットアプリだろうと同じだ。

これをマイナスにとるようじゃダメだ。
どうせバレるんだから、最初から正直に言う、というスタンスがこれからは主流になる。

勘違いしないでほしいのは、「品行方正であれ」というわけじゃない。
「僕は品行方正じゃないですよ。」と正直に言え、ということ。
隠したいことは、「隠したいでので、言いません」と正直に言え、ということ。

「見張られているから、正しいことしか言えない」ということでもない。
「自分はこう思う」と堂々と言えばいい。
言いたくないことは言わなければいい。
裏垢で人の悪口言っているのに、「言ってません。私はイイ人です」は通じない。

商売も取り繕った表の顔でイメージを売る時代は終わるだろう。
だから、正直に言おう。
・お金が欲しいから商売するんだ
・これだけ原価がかかるし時間もかかるから、これだけはもらう
・この商品はここに価値があるから、この値段だ

もっと時代がすすめば、「安い人件費で作ってるから安いんです。安かろう悪かろうです。それでもイイと思っている人が買ってください」となるかもね。
まだ「サステナビリティだ」とか「企業努力だ」とか取り繕ってるけど、そんなの通じなくなるとイイね。

イメージで大衆を扇動する時代が終わるんだ。
芸能界もテレビも役割が終わる。
ネットもテレビの廉価版をやっているだけなら、その役割も終わる。

正直に等身大で見てもらう。
ダメなところはダメなまま見てもらう。
それでも「価値がある」と認めてもらえば支持される。
支持されるためにカッコつける必要はないし、カッコつけられない。

もう一度言うけど、「品行方正になれ」っていうんじゃない。
「正義を語れ」というのでもない。
「全部さらけ出せ」というのでもない。
でも口に出すなら、ネットに書くなら、「正直に言え」ということ。
そして「人の悪口は言うな」ということ。
悪口言うなら、何も言わなくていい。
「自分はこう思う」でいいじゃないか。

これ、ほとんど自分に言ってます。
このサイトもSNSも商売もそういう方向にしていこうと思う。
もちろん、いままでは「カッコつけて幻想を抱かせて価値を上げる方が得」と思ってたし、そういう部分が随所に残ってるから、変えていきます。

とりあえずはそういう時代。
もちろん20年後は、また違う時代になるだろうけどね。では。

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