完全自動化しないのは犯罪的

先日、以下のような投稿をX(旧Twitter)にした。

反応が多かったので、多くの人が共感してくれた、ということだ。もう少しだけ広げて話してみたい。

パソコンはもともと「自動化」するための機械だった

最初は直接プログラムを書き込んで実行する、というもので、ほんの一部の機械好きだけが喜んでいた。

私が中学生の頃、富士通の社内でパソコン好きが集まって、要望を言ったり交流したりする会に参加したことがある。中学生程度では話している内容はわからなかったが、大学生や社会人たちの熱量はすごかったのを覚えている。彼らの見た目は今でいうオタクだったね(当時はオタクという言葉もない時代)。

ともかく、パソコンは「一度プログラミングしたら、それを何回でも何百万回で正確に繰り返して実行してくれる機械」だった。複雑な計算だって、描画だって、自分のプログラミングした通りにあっという間にできるんだから、その美しさに驚いて魅了されたわけだ。

そのパソコンに「OSをのっけて、一般の人も使いやすいようにした」というのは天才的だな。

一部のオタクのものだったパソコンがプログラミングしない一般の人にも普及した。そして、なぜかそれを仕事にも使い始めた…。

当然、一般の事務職の人たちはプログラミングできない。つまり、繰り返して同じことを行う時、プログラミングを使わないで実行しないといけない。そうすると人間がパソコンの代わりに「繰り返し処理」を実行することになった…。

「ちょっと待てよ!」と思うよね、こっちは。「一度プログラミングすると何百万回でも繰り返し実行してくれる」のがパソコンだと言ったよね。

その一番の強みを捨てて、人が繰り返し部分を担うの?本当に馬鹿らしいことです。

そして、こういうことを人を雇ってきて、低賃金でやらせる経営者は犯罪的だと思う。

経営者はパソコン(今ではIT)の本質をよく勉強し、人にやってもらうべきこと、パソコンにやらせるべきことをよく判断することは義務だ。

うっすら理解しておきながら「プログラム化(システム化)する費用より、人を働かせておく方が安い」という判断をしているなら、なおさら犯罪的だ。

人の時間というのは命そのものだからだ。

人の命を使ってパソコンの代わりをやらせているのだ。将来的には本当に犯罪になるんじゃないかな、とさえ思う。

私は単純な繰り返し業務、例えば「日報の作成業務」「定番商品の発注業務」「在庫の補充指示業務」などは完全自動化するべきだと考えている。

もちろん、パソコンを創作的活動に使うのはOK。データ分析や資料作成にもいい。

それでも、「全員がパソコンを使う」というスタイルは異常だと感じる。得意な人だけが使い、その他大勢の人はもっと違うレベルの仕事をするほうが健全だろう。

そんなわけで、僕の中でRPAは「便利な自動化のツールが生まれた!」というより、「もともとパソコンは自動化のツールだったので、それに戻すためのツール」という位置づけだ。