こんにちは。完全自動化研究所の小佐井です。

RPAによる自動化歴は6年以上です。またRPA関係の本を出版しています。

この記事では非常に人気のある2大RPAツール(といっていいでしょう)、「UiPath」と「Power Automate for desktop」のどこが違っているのかを比較してまとめました。

「これからRPAツールを導入しよう」と考えている方は是非参考にしてください。

では、どうぞ。

※更新履歴

2022/08/05 組織として有料ライセンスを利用する場合の説明を修正しました。

2022/08/07 組織のアカウントとMicrosoftアカウントの説明を修正しました。

UiPathとPower Automate for desktopの比較

項目 UiPath Power Automate for desktop
開発元 UiPath Microsoft
OS

Windows7~

Windows10~

OS(MAC)

×

×

開発ツール

UiPath Studio

フローデザイナー

ネット接続 必要なし 必要
開発画面

フロー型、リスト型

リスト型

シナリオの保存先 ローカルパソコン クラウド
シナリオの共有 ファイルの共有やGitでの管理により可能 有料ライセンスの場合はクラウド上で可能。無料ライセンスの場合はテキストファイルにフローをコピー&ペーストして保存することにより共有できる。ただし複数のサブフローがある場合は、それぞれ別に保存する必要がある

Git連携機能

×
拡張 〇 カスタムアクティビティ、DLL呼び出し等 ×

レコーディング機能

画像マッチング

Excel無しの環境でのExcelファイル連携

×

変数のスコープ(使用できる範囲)設定

〇 変数の使える範囲を限定できる × 変数の使える範囲を限定できない。グローバル変数のようにフロー内のどこからでも使える。細かい管理がいらないが、変数が多くなると煩雑になる

例外処理

まとめて、Try~Catchでエラー処理できる

1アクションごとのエラー発生時の設定、もしくはブロックエラー発生時アクションを使った複数アクションのエラー処理がある。初心者には少しわかりにくいかも
開発ツールの価格 Community Editionの場合無料(利用には条件あり)。有料ライセンスは販売店に問い合わせが必要で、ライセンスに形態により費用も異なる 無料

管理機能

別途、Orchestratorというサービスがある。ユーザー管理、ロボットの管理、パッケージ管理、共通変数(アセット)の管理、ログ管理、スケジュール実行など

ログ管理、スケジュール実行、フローの共有、クラウドフロー(PowerAutomate)との連携などの機能を利用するには別途、PowerAutomateのライセンスが必要。

管理機能の価格

販売店に問い合わせが必要。サブスクリプションにオプションとして組み込まれているパターンもある

アテンド型RPAの1ユーザー:52,200円/年(4,350円/月)

1フロー:130,440円/年(10,870円/月) ※最低5フロー

※価格は変動することがあります。詳しくはこちらを参照してください

非アテンド型実行※1

非アテンド型ロボットのライセンスが必要。費用は販売店に問い合わせが必要

非アテンド型RPAアドオンのライセンスが必要。195,720円/年(16,310円/月)

変数の日本語使用 ×
サブルーチンの日本語使用 〇 ワークフロー名などのほとんどは日本語が使える × サブフロー名は英語

※1)非アテンド型:Windowsにユーザーがログインしてい ない状態であっても、バックグラウン ドで実行されるRPA。完全自動化用

UiPathとPower Automate for desktopの比較のまとめ

概要

UiPath Power Automate for desktop

無償ライセンスを使って個人利用することもできますが、基本的に組織での開発を目的としています。

Git連携機能や拡張機能など高度なシステム開発が可能な環境が整っているため、本格的なシステム開発を行いたい企業に向いています。

日本語化対応も進んでいます。ヘルプや教育も日本語で見つけることができます。

個人パソコンで利用する場合には完全に無料で利用できますし、シナリオはクラウドに保存されるので、個人的に利用する場合はシステム的な知識を必要とせずシンプルで気楽に使える、という印象です。

組織として利用する場合、組織のMicrosoftアカウントを持って有料ライセンスで運用する必要があります。簡単にシナリオを共有したり、ログを一元管理するなど組織的に利用するのに便利な機能は有料ライセンスとして提供されています。(※1)

すでにOffice365を導入している企業は、ライセンスを追加するだけなので馴染みやすいでしょう。

日本語化対応はUiPathに比べると進んでいないので、名称等を完全に日本語にすることはできません。

※1)「組織として利用する場合は必ず有料ライセンスが必要」と受け取ってしまうとのご指摘があり、書き換えました。

費用面

みなさんが一番気になるところだと思いますが、ライセンス形態や利用方法(管理機能を使うかどうか等)にもよるので、同じ条件での比較はできません。

ただし、10人以下の小規模で、個人の個別業務を自動化するような使い方をするならばPower Automate for desktopの方が間違いなく安いです。

UiPathの場合、小規模でも年間200万円程はかかると考えた方がいいです(※2)

※2)開発環境と実行ロボットを1台ずつくらいならもっと安価で済みますが、企業内での運用を考えたら、もう少しライセンスが必要という見積りです。

もっとも、ここまで解説してきたように、RPAツールとしての基本的な思想が異なるので単純に費用を比較しても意味がありません。費用対効果を最大化するためは、RPAの利用方法と必要なライセンスの組み合わせを的確に判断することが大切です。

まとめ

UiPathは企業内で組織として開発・運用する前提で製品が設計されています。チーム型のシステム開発、といったイメージです。

一方、Power Automate for desktopはライセンスがMicrosoftアカウントもしくは組織のアカウントにひもづいているので(※3)、個人が自動化し実行することを想定して設計されているように感じます。組織で運用する場合も、「管理者が個人に権限を与える」「個人が作ったフローを他者も共有する」というイメージであり、システム開発色は強くありません。

※3)「Microsoftアカウントと組織のアカウントは違う」とのご指摘があり追加修正しました。Microsoftアカウントと組織のアカウントの違いについてはJapan Azure 課金 サブスクリプション サポート ブログの「Microsoft アカウントと組織アカウントについて」に詳しいと教えていただきました。

同じRPAツールとはいっても、ずいぶんニュアンスが違うことが少しわかっていただけたのではないでしょうか。自動化に対する姿勢によって、はっきりと使うツールを分けることができると思います。

また、両方のいいところを活かして、使い分けることでライセンス費用をおさえるというのも賢い方法ではないでしょうか。

「う~ん、まだ迷うな~」という方は一度、両方のツールを使ってみることをお勧めします。使ってみることで、それぞれの特色が体感として理解できるようになります。

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