UiPath」と「Power Automate for desktop」を比較してまとめました。「どちらを導入すべき?」「どちらの方が安いの?」と悩んでいる人に向けて僕なりの答えも書きましたので、ぜひお読みください。

では、どうぞ。

■更新履歴

2022/08/05 組織として有料ライセンスを利用する場合の説明を修正しました。
2022/08/07 組織のアカウントとMicrosoftアカウントの説明を修正しました。

僕の信頼性
こさい
こさい

完全自動化研究所の小佐井です

1) IT歴25年超。開発から業務改善まで幅広く経験してきました
2) 複数の企業においてRPAのコンサルティングを行っています
3) RPA関連の書籍を5冊出版しています

  1. オープンソースで作る!RPAシステム開発入門
  2. 実務者のための失敗しないRPAシナリオ設計入門
  3. UiPath業務自動化最強レシピ
  4. WinActor業務自動化最強レシピ
  5. Power Automate for desktop業務自動化最強レシピ

UiPathとPower Automate for desktopの比較

項目 UiPath Power Automate for desktop
開発元 UiPath Microsoft
OS

Windows7~

Windows10~

OS(MAC)

×

×

開発ツール

UiPath Studio

フローデザイナー

ネット接続 必要なし 必要
開発画面

フロー型、リスト型

リスト型

シナリオの保存先 ローカルパソコン クラウド
シナリオの共有 ファイルの共有やGitでの管理により可能 有料ライセンスの場合はクラウド上で可能。無料ライセンスの場合はテキストファイルにフローをコピー&ペーストして保存することにより共有できる。ただし複数のサブフローがある場合は、それぞれ別に保存する必要がある

Git連携機能

×
拡張 〇 カスタムアクティビティ、DLL呼び出し等 ×

レコーディング機能

画像マッチング

Excel無しの環境でのExcelファイル連携

×

変数のスコープ(使用できる範囲)設定

〇 変数の使える範囲を限定できる × 変数の使える範囲を限定できない。グローバル変数のようにフロー内のどこからでも使える。細かい管理がいらないが、変数が多くなると煩雑になる

例外処理

まとめて、Try~Catchでエラー処理できる

1アクションごとのエラー発生時の設定、もしくはブロックエラー発生時アクションを使った複数アクションのエラー処理がある。初心者には少しわかりにくいかも
開発ツールの価格 Community Editionの場合無料(利用には条件あり)。有料ライセンスは販売店に問い合わせが必要で、ライセンスに形態により費用も異なる 無料

管理機能

別途、Orchestratorというサービスがある。ユーザー管理、ロボットの管理、パッケージ管理、共通変数(アセット)の管理、ログ管理、スケジュール実行など

ログ管理、スケジュール実行、フローの共有、クラウドフロー(PowerAutomate)との連携などの機能を利用するには別途、PowerAutomateのライセンスが必要。

管理機能の価格

販売店に問い合わせが必要。サブスクリプションにオプションとして組み込まれているパターンもある

アテンド型RPAの1ユーザー:52,200円/年(4,350円/月)

1フロー:130,440円/年(10,870円/月) ※最低5フロー

※価格は変動することがあります。詳しくはこちらを参照してください

非アテンド型実行※1

非アテンド型ロボットのライセンスが必要。費用は販売店に問い合わせが必要

非アテンド型RPAアドオンのライセンスが必要。195,720円/年(16,310円/月)

変数の日本語使用 ×
サブルーチンの日本語使用 〇 ワークフロー名などのほとんどは日本語が使える × サブフロー名は英語
学習 UiPathからUiPathアカデミーが無料で提供されている。コミュニティも発展しているため多くのヘルプが手に入る トレーニングサイトがある

※1)非アテンド型:Windowsにユーザーがログインしてい ない状態であっても、バックグラウン ドで実行されるRPA。完全自動化用

まとめ

全体的な比較

UiPath

無償ライセンスを使って個人利用することもできますが、基本的に組織での開発を目的ので製品版を有償で利用することが多いでしょう。

Git連携機能や拡張機能など高度なシステム開発が可能な環境が整っているため、本格的なシステム開発を行いたい企業に向いています

日本語化対応も進んでいますので、ヘルプや教育も日本語で見つけることができます。

Power Automate for desktop

個人のパソコンで利用する場合には完全に無料で利用できますし、シナリオはクラウドに保存されるので、個人的に利用する場合はシステム的な知識を必要とせずシンプルで気楽に使える、という印象です。

UiPathと違い、Power Automate for desktopはライセンスがMicrosoftアカウントもしくは組織のアカウントにひもづいているので(※1)、個人が自動化し実行することを想定して設計されているように感じます。組織で運用する場合も、「管理者が個人に権限を与える」「個人が作ったフローを他者も共有する」というイメージであり、システム開発色は強くありません。

組織として利用する場合、組織のMicrosoftアカウントを持って有料ライセンスで運用する必要があります(※2)

簡単にシナリオを共有したり、ログを一元管理するなど組織的に利用するのに便利な機能は有償ライセンスとして提供されています。

まだ、有償ライセンスを使って中~大規模でRPAシステムを構築しているという情報を探すことは難しいので、「これから」情報が出てくると思います。

日本語化対応はUiPathに比べると進んでいないので、名称等を完全に日本語にすることはできません。

※1)「Microsoftアカウントと組織のアカウントは違う」とのご指摘があり追加修正しました。Microsoftアカウントと組織のアカウントの違いについてはJapan Azure 課金 サブスクリプション サポート ブログの「Microsoft アカウントと組織アカウントについて」に詳しいと教えていただきました。

※2)「組織として利用する場合は必ず有料ライセンスが必要」と受け取ってしまうとのご指摘があり、書き換えました。

どちらの方が性能がいいか?

Git連携機能や拡張機能など高度なシステム開発環境を考えるとUiPathの方が優れていると思います。

ただし、自動化に必要な基本的な制御フローや画面の要素を認識する機能、自動化部品の内容などに大きな差はないと思えます。

「簡単な自動化しかしないよ」という人にとっては、どちらもほぼ同じ性能だと言えるでしょう。

どちらを導入すべきか

どちらのRPAツールを導入すべきかは、どの立場で考えるかによって違います。

エンジニアで本格的に業務を自動化する立場

エンジニアで本格的に業務を自動化する立場なら「UiPath」をお勧めします。

UiPathは、Git連携機能拡張機能など高度なシステム開発が可能な環境が整っているため、本格的なシステム開発を行いたい企業に向いているからです。

Power Automate for desktopも有償ライセンスのクラウドフロー(Power Automate)と連携することで、簡単にシナリオを共有したり、ログを一元管理するなど組織的に利用するのに便利な機能が使えますが、中~大規模でRPAシステムを構築しているという情報を探すことは難しいのが現状です。

すでにOffice365を導入している企業で先陣を切る自信があるなら検討する価値があるでしょう。

非エンジニアで本格的に業務を自動化する立場

どちらのRPAツールも完全に非エンジニアの人だけで導入するのはハードルが高いと思います。

情報システム部署が環境を整備して、非エンジニアは業務の自動化をするだけならいいのですが、このパターンは「非エンジニアで本格的に業務を自動化する立場」というカテゴリーには当てはまらないので、答えはありません。

まれに非エンジニアでもRPAの本格導入できる人がいるようなので、その場合は「UiPath」がいいでしょう。理由は「エンジニアで本格的に業務を自動化する立場」と同じです。

個人業務を自動化する立場

エンジニア/非エンジニアを問わず「Power Automate for desktop」がいいと思います。

個人のパソコンで利用する場合には完全に無料で利用できますし、シナリオはクラウドに保存されるので、個人的に利用する場合はシステム的な知識を必要とせずシンプルで気楽に使えるからです。

どちらが安いか?

みなさんが一番気になるところだと思いますが、ライセンス形態や利用方法(管理機能を使うかどうか等)にもよるので、同じ条件での比較はできません。

ただし、10人以下の小規模で、個人の個別業務を自動化するような使い方をするならばPower Automate for desktop+クラウドフロー(Power Automate)の方が間違いなく安いです。

UiPathの場合、小規模でも年間200万円程はかかると考えた方がいいです(※3)

※3)開発環境と実行ロボットを1台ずつくらいならもっと安価で済みますが、企業内での運用を考えたら、もう少しライセンスが必要という見積りです。

もっとも、ここまで解説してきたように、RPAツールとしての基本的な思想が異なるので単純に費用を比較しても意味がありません。費用対効果を最大化するためは、RPAの利用方法と必要なライセンスの組み合わせを的確に判断することが大切です。

どちらを勉強すべきか

これも立場によって違います。

エンジニアとして本格的に業務自動化を行うことを目指すなら「UiPath」を勉強した方がいいでしょう。一度、無償のCommunity Editionをインストールして使ってみてください。以下の記事でインストール方法を解説しています。

日本語化対応も進んでいますので、ヘルプや教育も日本語で見つけることができます。

業務自動化のサンプルも知りたいという場合は、僕の著書「UiPath業務自動化最強レシピ」にいろいろな例が載っています。

「個人的な業務を自動化できればいい」「エンジニアじゃないので難しいのはムリ」という人は、Power Automate for desktopを勉強した方がいいと思います。

UiPathはかなりシステム開発に近いので、エンジニアでない人にはハードルが高いです。

Windows10/11のパソコンを使っている人なら無料で使えるので、インストールしてみてください。以下の記事でインストール方法を解説しています。

手っ取り早くPower Automate for desktopのできることを知りたい人は、僕の著書「Power Automate for desktop業務自動化最強レシピ」をお読みいただければ基礎から実践的な活用方法まで理解することができます。


さらにUiPathに詳しくなるには

まとめてUiPathの知識を身に付けたい方は、ぜひ書籍をお読みください。

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